アンサンブル

「俺が悪かった、帰ってきてくれ」って真っすぐ伝えて頭を下げる姿や「有紀ちゃん」って呼びかける時の優しい声音が有紀への愛情と傷つけてしまった深い後悔を感じさせました。「誰がなんと言おうと俺の息子だ」って力強く抱き締める姿も、優より小柄なのにすごく大きく頼もしく見えて胸にくるものがあったし、有紀に卵焼きをあーんって食べさせてもらうシーンもほのぼのと微笑ましくて良かったです。

凛の「迎えに行ってあげたら？」という言葉に素直に返せないところが、和夫の不器用で意地っ張りな性格を感じさせました。有紀との馴れ初めを語る時の懐かしそうな穏やかな声や、アルバムのどこにどの写真が貼ってあったかちゃんと把握している姿も、和夫の家族愛の深さ、大きさが伝わってきて良かったです。

「お前に言ったって仕方ない」って絶対言っちゃいけないことを言ったのは最低だけど、その後サンダルのまま有紀を捜す姿には後悔や心配が滲んでいて、和夫も優を守らなければと必死でいっぱいいっぱいだったんだなって家族を大切に思う気持ちが伝わってきたのは良かったです。2話くらいの夫婦仲良しでほのぼのした空気がとても素敵だったので、また仲睦まじいほっこりするやりとりを見せて欲しいです。

嘘をつくのも誤魔化すのも何となくぎこちなくて下手なところが、正直で真っすぐな和夫らしかったです。奥さんにはとっくに嘘だってバレてるのにそれに気付いていないのも和夫っぽい。優が実の母親に利用されて潰されるんじゃないかと心配して必死に守ろうとする姿も、息子を思う父の深い愛情が伝わってきて良かったと思います。

「絶対内緒にする」って力強く宣言したのに即行で翠にバラしてるあり得ないほどの口の軽さに笑ってしまいました。優が幸せなのが嬉しくてたまらなくて、つい言っちゃったんだろうなあ。家族愛と人の良さが滲み出ていて、ちょっと軽率な行動をとっても不思議と腹が立たないところも光石さんならではの魅力だなと感じます。

優と可奈子の修羅場を見守った後、すぐにお酒を持って優のもとに行こうとするところが、和夫の過保護っぷりを感じさせました。実の息子じゃないって知った後に思い返すと、余計にその愛情深さが刺さる。良いこと言った早川に特別メニューを出してあげたり、良いお酒を持って来たり、サービス精神旺盛で太っ腹なところも和夫の人柄を感じさせて良かったです。

瀬奈に特製料理を出してあげたり、一番良いお酒を開けたり、何度も繰り返しお礼の言葉を口にしたり、凛を助けてくれたことを心の底から感謝してるんだなあ、それくらい娘のことが大切なんだなあって伝わってきたのが良かったです。酔っ払って声が大きくなったり、「恋と一緒だよね～」って絡んできたり、ちょっと面倒くさいおじさんっぽいところも人間味があって良かったと思います。

凛が帰ってこなくてあからさまに不機嫌な姿が年頃の娘を持つお父さんらしさ全開で良かったです。自分だって帰ってこない日があったって有紀に指摘されてすぐに「ごめん」って謝るところも、和夫の素直で人の良い性格が感じられて良かったです。

ニコニコ笑顔を絶やさず、気さくで明るくて、奥さんのことが今でも大好きで、出番は多くないけど和夫の人柄の良さや魅力を存分に発揮していたと思います。奥さんとお酒を飲んでいる時の幸せそうな笑顔もとっても素敵でした。