Get Ready!

全ては忖度の世界だと思ってしまったところがなんか残念だったかな。そりゃ子供の命が助かるならそうしてほしいし、そうなった時警察内部でもふと笑みが溢れたところはほっこりしたけど闇医者の存在を必要悪としたようなところはどうなのだろう。ジョーカーが1人罪を被って服役したことにも驚いた。そしてそれに懲りずにまた仲間を集めちゃうところにも驚いた。これって続編への布石なのだろうか？最後は今まで救ってきた人たちの活躍が見れてよかった。

日米政府まで巻き込んでの裏取引で、エースたちは闇医者行為も無罪放免、高城は警視総監にまでなったことを考えたら、 結果的にはひとりだけ実刑になって短期間とはいえ服役するはめになったジョーカーが一番損な役回りだったって感じかな。
それにしても、鈴木亮平さんはあれだけの役？　何かキーパーソン的役割でもあるのかと思いきや大いに肩透かしの期待はずれ。あれだけの俳優をなんだかもったいない使い方でしたね。

最後まで予想できる範疇のよくあるパターンのドラマでした。気になるのは「正義」を説き、そして仮面ドクターズの人を救う行為自体は「正義」だと評価する結果になったことです。「正義」は西洋的概念で法とか秩序とセットになっているもので、「正義」を標榜するなら法を曲げるべきではない。だから仮面ドクターズの存在は「正義」ではない筈。そういうこざかしい概念論は止めて、単純に金儲けを建前にするとブラックジャックと同じになるし、だからこそ復讐要素も入れたのだろうけど、そこにもうひとひねり欲しかった。豪華なキャスト陣のわりに、内容は至って平凡だったと思います。

剣持も弁慶の泣き所の娘の命がかかっていては自分の非を認めるしかないでしょう。それができたと言うことは人の親としての情が残っていたということで少しはまだ人間としてマシなのかなと思いました。ただここが勝負どころだと思ったのでしょうが、エースは前に出過ぎましたね。復讐に理性が吹っ飛んでいる状態でグイグイ来ていたのでハラハラ、尻尾を掴まれそうで心配です。ここで初回で命を救わなかった副総理が出てきたのでどう絡んでくるのか楽しみです。

予想通りの展開。嫉妬深くて底意地の悪い剣持も、娘の為ならば全てを投げ出してなりふり構わず命乞いするあたりは、人間らしい情が感じられてちょっとイメージ回復かな。
エースたちがやってることは確かに違法だし、だから警察も彼らを逮捕しようと追ってるんだろうけど、副総理の個人的恨みも大いに絡んでそう。そのへんの医者が匙を投げてしまった患者たちの命を彼らが救ってきたことは、感謝されることはあっても悪事だと責められることじゃないでしょうに。

テンプレ展開で剣持が謝罪しました。他人の娘は死なせても何とも思わないけど、自分の娘となると別というのはよくあるパターンすぎるし、もしかしてちょっと違った展開になるかと思いましたが、落ち着くところに落ち着いたというところでしょうか。テンプレが悪いわけではありませんが、これだけのキャスト陣なのでもう少し変化球の方がよかったかなと思います。高城を演じる沢村一樹さんですが、抑制された雰囲気で何を考えているかわからない感じが、最終盤での驚くべき展開をもたらす、なんてことになると良いのですが。

やだねー男の嫉妬は。剣持は自分の意思で動かせる病院があって、医師としての腕もあって、若手のできる医師を呼び寄せるだけの力も金も持っている。それなのにまだ自分が1番じゃないと気が済まない。オーナーじゃなくまだプレイヤーでいたかったんだね。それなら若い芽を摘んでおかなきゃと心までへし折ってやったってところなのだろうか？そのせいで犠牲になるのはなんの関係もない女の子なのが痛ましい。剣持にそれ相応の罰が与えられてほしいと思っている。

剣持院長とエースの間にはそういう確執があったのか。陰湿なやり方で真田先生とエースをはめた剣持が一番悪人だけど、エースも若いころから相当傲慢だったみたいでこちらも好感持てないわ。
剣持の娘が突然の痛みで倒れてたけど、彼女を手術して治せるのはエースしかいない、って展開なのかしらね？

エースの過去が明らかになりました。そもそも金も地位もある人間なら、金で何とかなる国で移植をうければいいのにね。まあそこは触れないとして、確かにエースははめられて同情すべき点はあるけれど、臓器移植は優先順位が決まっていることくらい医者なら誰だって知っているだろうし、主治医として女の子の病状から、その優先順が高いことくらい予想はつきます。それなのに転院してきた比較的元気な患者への移植が優先されたのなら、適合条件などがあるにしても、臓器移植ネットワークからの内容や書類を確認しないのは、手術にしか目が向かなかった彼の失敗です。ここから復讐劇に向うとは思えませんが、ある種のざまあは待っていそうです。

今回もなんだかなーの話。どうすれば良かったのか正解が分からない。遥が自分の娘だったとしたらイジメを苦にして死んでしまうのはこの上ない苦痛だけど、せっかく助かった命を犯罪に使ったとしたら‥どちらにしても一生悔やむだろうなと思います。まぁ一億円という額を加害者の先生には払えないわけだから仕方ないけど、こんな形で報いを受けるのは後味が悪すぎる。悪いものを退治スカッとした物語ではないことは分かるけれどモヤモヤしすぎて仕方ない。

遥が教師の指導を無視して屋上へ向ったところから、おおよその展開は予想出来ました。意表を突かれたのは最後に回復した遥が教師を刺したことくらいですが、スペードの能力があれば、遥が学校に復帰する前に、あの教師を社会的に潰すことは出来ただろうし、見守ると言うならそれくらいは準備しておいてもよかったのではと思います。まあそれ以前に、怒りというものは順当な感情として存在するのだから、教師に対してもっとストレートに怒り、周囲に訴えてみるべきでした。この何の感動も教訓も残さない刹那な内容を、娯楽と評価するわけにはいかないし、何の意図があってドラマにしているのか理解できません。

前回も今回も難しい話だなと思いました。否応なしに死んでしまうならともかく、生きるか死ぬかの選択って生きたい、生かせたいって素直に選択できる場合ばかりじゃないなと。今回のことで言えば娘だったらいっときは悲しいしこの先不自由なことや寂しさがあっても寿命に逆らわず父は死んでくれてもいいと思う。病気ならしかたないし。だけど救う道がありそれを自分に託されるっていうのはキツイ。暴力を振るわれているけど、自分が救わないって言ったら自分のせいで殺したみたいになってしまう。どっちも地獄。最後は氷解したけれどそんな結末は御伽話かもしれない。

個人的には暴力的な行動を取り、それで支配体験を持ってしまった人は、何かの拍子でそれが顔を出すし、変わらないと思っています。だからエースが命を助けたことはともかく、腕の神経までつなぐ必要があったのかは首を傾げるところです。正直、苦しみの種が無くなれば、誰だった穏やかになる。でもまた何か挫折が訪れると暴力的になる可能性は高い気がします。その時、エースたちが何かできる状況なのかわからないわけで、しかも契約にないことでもあり、そんなエースの甘さがいずれ墓穴を掘るのかなと思います。

エースとジョーカーの出会いとその組織ができるところは分かりました。ジョーカーが一人で出資してたんですね。すごい財力です。奥さんに金づるのように思われているのはかわいそうですが、別れて正解。今の活動を知られたらもっとお金を請求されかねないですよね。本編は若年性アルツハイマーですか。なかなか今の医療でも太刀打ちできない難しい問題です。その人を遺して逝くのも辛いし、ずっと向き合うのも辛い。最後は別れたようですが彼女はどうなってしまったのか、美談にはしきれないからフワフワした結末になりましたね。

エースとジョーカーの関係性が明らかになりました。ただいくら命を救われたとはいえ、あの程度の事件でこれだけの資金と信頼を寄せるというのは首を傾げます。それにしてもジョーカーはどれだけ資金力があるのでしょうか。放射性物質を扱う医療機器を置く場合、様々な厳しい規定があるし、その安全性を担保しないで治療もクソもない。あのビル自体に手を加える必要があるから、ビルごと買ったと考えるべきなので、いくら国際弁護士でも無理があるかなと思います。本編の若年性認知症ですが、今のところ遅らせる治療はあっても根治は不可能。でもそこでBJみたいに何らかの最新医学のアイディアが出せればもっとよかった。まあ手塚治虫は医者でもあったから出来たんだけど。

生きるっていろんな意味があるなと考えさせられる内容でした。才能が無くなってしまっても命を長らえれば生きているってことなのかとはその人それぞれの価値観だから何が正解か分かりませんよね。何度となく聞いた「生きる価値はあるのか」って言葉が今回は違った意味で聞こえたのが印象的でした。結果的に根本的に治すことなくそのまま亡くなりましたが、彼女は作品を作ることが楽しくて仕方なかったのだと思います。それがもう一度できるなら死んでもいいと思ったのでは？と思いました。そんな生き方もまた素敵で認められるものだと思いました。

これに近い話って、古くは「ブラックジャック」にあったし、小説なんかでもたまにありますね。命か才能かの選択を迫られた時、多くの人は命を選ぶのでしょう。才能を選ぶ選択肢を否定はしませんが、勘違いしてはならないのは、才能なんて所詮は誰かの評価だということ。エースは手術すれば洋子の才能は失われると断言していたけど、芸術が本人の絶対評価ではなく、周囲の相対評価である以上、そんな断言は出来ない筈。そもそも洋子本人の満足度と作品の評価が一致するなんて限らないのだから。だいたい洋子が死ねば、世間なんて悲劇の天才として持ち上げて、評価されるに決まっている。エースも天才かもしれないけど、天才がなんでも理解できると思ったら大間違い。

なんかもっとクールな考えを持った集団だと思っていたけど、殺人をあれだけ分かっていながら留めもせず治して回るっていうのはどういうことなのだろう。単に自分たちの技術を世の中にアピールしたいためなんじゃないかとも取れるけど、それよりも復讐をさせてあげたいって気持ちの方が見て取れた。まぁあんな奴らは刺されても文句はないし、一年後に死ぬ恐怖に震えながら過ごすのも悪くないけどね。目には目をの精神は闇医者にはぴったりだと思った。

エースの性格がよくわからない。彼らはそもそも命を助ける価値があるのかを、手術する基準としているはず。なのにエースは無償で殺されかけた3人の命を救い、安達が人殺しにならないように積極的に動いている。それは安達の生きる価値をエースが誘導して作り上げていることになる。しかもその理由が死んだ娘は殺人犯になるのを望んでいないというものだけれど、そんな倫理感の塊のようなセリフを闇医者が言い出すとは驚きだ。もっと生命の意味を問うなら、安達が復讐を果たし、警察に出頭する前に、生きる目的は復讐を果たすためから罪を償うために変わったが、手術してくれるかと問いかけさせた方がよかったと思う。

また金か。良いことをするにも悪いことをするにもお金がかかる世の中ですね。悪いことだと知りながら我が子のためならお金を出して裏口入学させる親のお金を集めて僻地医療に繋げていた。これは極端な話だけど、人の善悪ってそんなもので全部が悪でも善でもないのが人間なんだろうなと思いました。それにしてもケーキ屋に通う女の子の正体はなんなのでしょう？ここまで来てただのファンですってことはないだろう？でもつまらないストーリーをつけるならただのファンで終わるのも案外面白いかもしれない。

ゲストである柄本明さんの演技力で魅せたというだけで、ストーリーも極端なだけで深みを感じないし、他のキャストももうひとつ印象が薄い。生かしておく意味があるというけれど、そういう人が生き残ったことで別の欲を出して、とんでもないことをしでかすかもしれないし、救わなかった人が生きていたら改心して立派なことを成すかもしれない。そんな未来は誰にも見抜くことはできないから、すべて彼らのジャッジは先入観であり、自己満足にすぎない。そこにどんな意味を持たせるのかで、このドラマの深みが決まると思う。

高度な医療を施す闇医者。仮面をかぶって交渉し、生きる価値があると判断したものだけを高額な報酬で救う。なんだか大層な大義名分がありそうにも思えるし、そこが見どころなんだろうと思う。ただ、あんなに目撃者が多くいて、闇でいられるって謎かな。ドラマだし、そこを気にしたらいけないのかもしれないけれど。命のカウントダウンが始まって、自分の来し方を思い返して原点回帰はよくある話。ただ、ちょっと近未来的な空気感は嫌いじゃないかも。

はぁー生きるってお金がかかる（笑）結局はお金持ちしか生き残れないってことかしら？ふんぞり返った政治家だって詐欺まがいの経営者だって命は一つ。俺を誰だと思ってる？なんてセリフは消えようとする命には何の関係もない。そこまでは平等。その後現れたなんでも治せる医者に値踏みされるのはまた別の話。値踏みされ生きる価値を問われ生かされるか決められる。それは正義というのだろうか？確かに生かされるならこれからは気持ちを入れ替えて人のために働いてほしいけど、それを神様のように決めるのは人じゃない。その上から目線がとても気になった。

真剣に見入るほどのドラマではないですね...。波佐間のブラックジャックもどきの風貌や手術状況もそうだし、すべてが陳腐。というか、今どきの”エンターテイメント”っていうんでしょうかね。多額の報酬と引き換えに瀕死の患者の命を救うっていうのはいいけど、瀕死でも多額の報酬を出せないとあの闇医者チームが現れてくれることもないってことなのかしら。いずれにしろ次回以降の視聴はないかな。

臨床工学技士をＡＩ化しただけで、すごい医療設備には感じませんが、医療ものというより人生の価値みたいなものを問う内容なので、まあそこは良しとします。ただお金があろうと無かろうと、死の中には事故や突然死などのように、予測不能でどうにもならないものが少なからずあります。ガンとか難病とか、所詮は原因がはっきりしたものしか救えないのに、まるで神様かのようなちょっと傲慢な言い分に首を傾げます。改心した人はこうやって救うけど、これから改心の見込みがない人は見捨てるのでしょうか。そのあたりをどう展開させるかで、このドラマの面白さが決まるように思います。