ヒヤマケンタロウの妊娠

無事に出産、おめでとうございます！その後の忙しくも幸せな日々は見ている方も懐かしく赤ちゃんの泣き声さえも愛おしかったです。桧山さんは男性妊婦のパイオニアとしてこれから社会を変えていくと息巻いていますがその策には少し疑問も持ちました。育休を取れるだけ取ってその間に別の事業も手掛けて、亜季が仕事で忙しい時は会社にベビーベットを持ち込む？？？会社に使われる側ではなくとことん使ってやる派になるってことですね。それじゃ子なしと子ありの差は開くばかりです。社会を変えるというよりは自分のわがままを通していくように見えました。それは間違いなく壁にぶち当たるでしょう。その壁にぶち当たる育児編。やってくれたらいいな。

周りから見たらどうにも関わってはいけないようなクズでも肉親からしたら違う感情が湧き起こってくるもんなんですね。どうにか理解したいという気持ちなんでしょうか。健太郎のもつ父への気持ちもそうかなと思いました。ただ息子に便乗して詐欺を働いたことは事実なので警察案件になってもしかたないし、事実確認程度の記者会見も仕方ないのかなと思います。その中での質問は筋からは逸れていたので煽りたいだけのようで気分が悪かったです。物語を盛り上げたい故の作戦に感じてちょっと冷めました。

やっぱりお母さんが言うようにクズはクズでしたね。どこにでも有名になると昔の友人やら知人やら家族やら出てくるもんですね。そういう時に擦り寄ってくる人は要注意なんだけど、常に異常事態でバグってる今の桧山さんには判断はつかなかったか。父親だし男性妊婦の先駆けでもある人を信じたい気持ち、頼りたい気持ち全てを無碍にされたのはかわいそうでした。だけどやっぱりというべきか桧山さんとアキさんには子供が生まれた後のプランが全然ないってところが露呈しました。二人とも相手がやってくれるだろうと思いすぎです。赤ちゃんが産まれて顔を見たら一気に親になる？そんなうまくいくだろうか。

最近のドラマはいい人だらけだったんだなーとこのドラマを見て思う。結構みんなどす黒くてしんどい。桧山の会社では桧山を上げたり下げたり忙しいし、出産というデリケートなところまで密着するなんてことを勝手に決められるなんて桧山じゃなくても辞めたくなるだろう。亜季の実家も同級生たちもひと昔前の価値観なのは仕方ないとしても、それをグイグイ押し付けてくるところに亜季じゃなくても嫌気がさす。でも亜季はそこで腹を括った。きっと二人なら新しい家族の形を見つけてくれるだろうと信じている。

今のところ健太郎も亜季も男性が妊娠したという状況がビジネス的にもおいしいから妊娠を継続しているって感じがすごくするんだよね。保活とかポカンとしていた割に来年になったらバリバリ働ける的なことを平気で言うのが不安だな。確かにカップルで恋愛がうまくいっていても子育ての価値観はまちまち。どうしても自分の実家の方に引っ張られるのは否めない。もっと話し合いが必要だよね。そして宮地さんの方は赤ちゃんダメになっちゃったのかな？奥さんの気持ちも分かるけど、今妊娠してる檜山さんに言うのは残酷かなと思った。

まだお腹の子供に向けた愛情が一切感じられないのがある意味リアルだなと思いました。突然の妊娠でしかも自分が一生経験すると思っていない男性がなったなら戸惑いの方が大きいでしょう。カミングアウトしたことで仕事も得て理解も得られるかもだけど、大きな反響を受け止め切れるだろうか。赤ちゃんを産むことは決意したけど、仕事のため？男性妊婦はそのまま仕事になるけど、産んだらどうやって育てるのかそこが欠如しているようで危なっかしいです。

「本当に私の子？」「体を傷つけて堕胎するリスクは全部俺が背負うんだから」等妊娠するのが男性になったからって会話がまんま変わらないのが面白いところだなと思います。多分このカップルは女性が妊娠しても同じことを繰り返していたことでしょう。ただ会社での反応は女性ならあることなので受け止められ方は違ったかもしれないと思うとケンタロウが少し不憫でした。少子化を懸念しながらも同僚の妊娠で慌てちゃう世の中ってどうなのよ？って思います。産むとなればこれから好奇の目に晒されることは必至。どう乗り越えるのか気になります。

Netflixでしか見られないと思っていたから地上波でやってくれると知ってとても嬉しかったです。そして期待を裏切らない面白さがありました。働く女性でも予期せぬ妊娠はパニックになるのに男性なら尚更、天と地がひっくり返ったような驚きですよね。子供ができた時から体の中では24時間休みなく子供を育てていてそちらが優先、こちらの都合は一切お構いなしの妊娠ライフが始まります。ヒヤマさんの動揺や体調の変化など共感しまくりでしたし、擬似とはいえ男性に体験してもらえるのはありがたいです。男性にもたくさん見てほしいです。