遺留捜査 第7シリーズ

7シリーズ続いたこの番組もついに終わりです。糸村の鋭い視点と粘り強さは、刑事コロンボに似ているけど、見つけだすものはまったく違います。他の刑事が「犯人」をあげるのに懸命な中、糸村は事件に隠された人間の機微を追っています。そのズレが見どころでもあるのですが、他の刑事から軽く見られている糸村というキャラも、さすがに7シリーズも続くと、役者の格みたいなものとして上川さんの存在感が強くなってしまい、むしろ浮いてきたかなと感じていたので、良い引き時かもしれません。でもこういう人情ものが似合う役者さんとして、あらためて高く評価したいです。

周りの言うことはどこ吹く風、どこまでもマイペースな糸村さん。どこまでも自転車で汗もかいていなさそうな現実離れした雰囲気は上川さんだからこそ成立するような気がします。３分だけから始まる語りは、その口調の優しさが最大限生かされているなと思います。