消えた初恋

正直に言えば男子同士の恋愛に興味はない。主役の2人が可愛くてかっこよくて見ていただけだったけど、最終回までみて思ったのはこういう世界を願っている人がいるんだろうなってこと。学校なんて少しでも違うことをすると疎まれたり爪弾きにされかねないところなのに、堂々と同性のことを好きって言えてカップルになったら友達から祝福されてとても自然に付き合うことができる世界。こんな青春を送りたかったなーって人がいるんだろうなと見ていて思った。クリスマスツリーを前に寄り添う2人が素敵だった。青木くんと井田くんのおかげで少しずつでも広がって優しい世界になるといいな。

青木くんは男の子との恋愛に目覚めてからどんどん恋に目覚めちゃってデートでやりたいことをリストにしちゃって恋する男子そのものって感じ。だけど井田くんは？？バレーボール部の友達の表現からすると一生懸命な青木くんの思いに応えたいって方がまだ強い気がするな。でも人前で手を繋いだりできるってことはオープンにしてもいいってこと？でもそこは慎重にならないと学校生活そのものがハードモードになりそうな予感。同情で付き合うのはダメだと思うよ。

青木くんと井田くんの恋はどこまで本気なのだろう。青木くんの一途で一生懸命な想いに応えているだけなのかな？井田くんの言動には恋愛初心者とは到底思えないレベル高めの対応が多くて困っている（笑）そりゃ男の子だって堕ちてしまうかもね。その2人の恋を目撃してしまった教育実習生の反応がリアルでよかった。自分もどちらかと言うとそちら側の対応になっちゃうだろうな。これからの先生は異性だけでなく同性のカップルにも注意しなきゃなんて時代は変わったね。

人と違うことすると浮いちゃって大変な思いをするのが学生時代だと思っていたけど、それはもう古い感覚なのか？私だったら急にクラスのイケメン二人が付き合い出したら目玉が飛び出るほどびっくりすると思うしその話題で持ちきりになると思うけど、最近の子達は違うの？その気持ちを受け止めてくれる相手がいて、恋を応援してくれる友達がいて、雰囲気を察して見守ってくれる友達がいる。なんかカルチャーショップだなー、年取ったなー私。

最初は橋下さんが消しゴムに書いた好きな人の名前がバレそうになって青木くんが庇った。それで井田くんに勘違いされてって物語がころころ転がるような展開にワクワクしたけど、物語も行きついちゃったって感じ。あとは男✖️男のただの恋愛話になってしまった。主役の二人はかっこいいし道枝くんは時々ほんとに女の子みたいに見えるからキャストの力が大きいと思うけど、高校生になるまであんなイケメンが恋のひとつも知らないなんてありえないし女子が好きだった男子が急に男子が好きになるっていうのもイマイチ共感できない。

ボーイズラブものって同人誌でこっそり見るものだと思っていたから最近のドラマに多く登場するのに時代を感じます。道枝くんの恋してテンパっている姿は可愛らしく時に女の子のように見えてしまうほど素晴らしいし、井田くんの包容力溢れる返しにそりゃ惚れてまうやろ！って思ってしまう。自然に応援したくなりますね。一方、あっくんのキャラはそこまで惹かれるものがないので橋下さんのキュンが共有できずちょっと物足りない。誰かあっくんのよさ、教えてー！（笑）

メンズたちに紛れて小柄な橋下さん、頑張ってると思う。青木くんが前に好きだったのが橋下さんだったってバレた時に秒でごめんなさいしてたのが笑ってしまった。本人は悪気ないし文字通り謝ってるんだけど、その速さに脈が全然なかったことが分かり傷ついたよね（笑）青木くんの顔がリアルでした。でもさ、あんなにイケメンの井田くんが恋愛超初心者って信じられる？？高校生で恋がわからないってちょっと無いかもって思いました。

面白かった！事情を話せばなんてことないことも話さないからややこしく面白く話が広がって自分でも手に負えなくなる。まるでコントのようなのに登場するみんなは大真面目でまた面白い。昭和なら消しゴムに名前が書いてあっても男子からの好意だとは思わないだろうし、平成ならやめろよ気持ち悪い！で終わっていたかもしれない。だけど、令和の今は相手が同性でも真摯に受け止めて相手のいいところを見つけようとするんだね。時代は進んでいるんだなーと実感した。