緊急取調室 第4シリーズ

天海さんは本当にどこを切り取ってもカッコいい。ぐだぐだっぽくしていても、挫折しそうになっていても女から見てカッコいい女性。それを活かした真壁という役だし、最後電話鳴ってたから続編期待しています。

たまに感情的になることもあったけど、最後はずっと冷静さを保っていて、羽屋田を最初はいい人だと信用してたのにちゃんと怪しんでくれてテンションが上がりました。そして羽屋田がずっと仲良く出来そう的なことを言ったあとの冷たい声で否定したシーンはとてもカッコよかったです。

声が低くて落ち着きがあり、滑舌も良いから「駒の生き方なんて知らないつうの」とか「バックアップは取ってある」など小声のツッコミや去り際の捨て台詞もサラっと流されずにちゃんと届くし、感情が昂ぶって大声を出すシーンでも声がキンキンしないところが魅力だと思います。相手が誰であろうと怯まず踏み込んでいく姿も真壁の強い正義感や真っすぐさが感じられて格好良かったです。

"警察にその程度のあからさまな嘘が通用するわけないじゃない"と思いながらも、不自然さからその原因を調べ、わかるわかると同調しておいて現実を突きつけて落とす。天海さんではなく真壁のわかりやすい演技が最高でした。

渡辺が、聴取される主婦4人をキントリメンバーのようだと言っていたけど、真壁もそれに気付いていたんじゃないかなと思わせる攻め方をしているのが面白かったです。一人ずつ表情の変化を窺いながら質問していったり、ちょっとした矛盾を見逃さずに突っ込んで徐々に結束を切り崩していく流れが鮮やかで、見ていてスカッとしました。キントリ存続よりも事件解決を迷わず選択する潔さも清々しくて格好良かったです。

上司に言われて仕方なく下手に出たのに信じてないことで負けてしまったときの信じられない悔しいという顔つきと、謎の女が想定通りの嘘霊能力者でしかもしかも本物ではないとわかったときの楽しそうな顔、いろんな顔が見れました。

勝手が掴めずに馨の言動に少し戸惑いを見せて翻弄される姿が珍しかったので、馨が渚かもしれないと気付いてからの手応えを感じている様子や生き生きとしたいつも通りの表情が戻ってきた時にはホッとしました。事件の真相をつきつける時に「事実」という言葉を強調していたのも、渚の透視はインチキだと暗に明言しているように感じられ、相手の感情を揺さぶって本性を丸裸にする真壁の手腕にスカッとしました。

何処にいて何をするかわからない相手に友達に電話するかのような留守電への話し方には驚かされたし、絡んでくる鬼塚に核心を突くことを真顔で言って怒らせたのはつい笑ってしまった。キリッとしながら外してくるところにすごく惹き込まれました。

「親としても警察官としてもブランクなし！」と言い切る姿、格好良かったです。嫌味言われても毎回ビシっと言い返すから気持ちが良いです。麻美とのやりとりも、落ち着いたトーンで優しく語りかける様子が相手の信頼を得るための単なるテクニックというだけではない、温かみや相手に寄り添おうとする真壁本人の意思が感じられたのが良かったです。表面的ではなく、相手と真正面から本気で向き合う姿勢が随所で垣間見られ、麻美との初対面の時に、声を聞かなくても真壁だと分かったとホッとした笑顔を見せるシーンに説得力があったのも良かったと思います。

最初は村松を被害者遺族として丁重に扱い、事件の核心に近づいてくると少しずつ語尾を強めたり、追及するような口調に変化していき、村松がうっかり失言をすると一気に攻め込んで泣き落しに入る、相手の様子をしっかり見極めた鮮やかな取り調べは見応えがありました。相手をジッと見つめる目力も迫力があり、何でも見透かされそうで「被疑者を丸裸にする」と言う言葉にも説得力があります。取り調べのテクニックとして涙を見せるのではなく、つい熱くなって本気で泣いてしまう人情味のあるところも真壁らしくて良かったと思います。

女だからわかる女の心の奥底の悪意を引き出す緩急のある話し方が素晴らしいです。事件の犯人はわかっているという状況で動機を吐き出させた後、優しく抱きしめた行動もとても有希子らしくてよかったです。

橘の取り調べシーン、ピンと張り詰めた緊張感と迫力があって見ごたえがありました。探るような目線や同情して労わるような穏やかな口調、小石川とたまにかわす目配せなどで橘の筋書きに乗ったふりをしつつ徐々に本音を引き出していく過程を丁寧に表現していて、真壁の駆け引きの上手さや人の心を読む観察力の高さや繊細さが感じられました。激昂した橘と対峙し、号泣する彼女を真正面から受け止める姿も格好良かったです。

もう長いシリーズのなかでキャラクターが確立しているし、天海さん自身のキャラもうまく乗っかっているので、はまり役なのだろうと思います。女性としてのいろいろな孤立感とか、緊急取調室を巡る偉い人たちの思惑とか、いろいろな要素をはね返す強さの中に、ちらりと陰が走る時があり、そこが単に男勝りで終わってはいない、ジェンダーを越えた人間味が表現されているところだなと思います。ますますキャラクターの深みが増していますね。

相手が誰であろうと、怯まず真っすぐに向き合う姿が誰よりも男前で素敵です。堂々とした立ち居振る舞いやハキハキした口調はもちろん、目力がすごくて、絶対に真実を掴むという強い信念と覚悟が伝わってくるところも格好良いですね。石倉を犯人と決め付けていたと反省して頭を抱えたり、迷いを見せたり、ちゃんと間違いを認めて後悔したり弱さを見せるところも人間味があって良かったです。

大國の取り調べシーン、桃井かおりさんとの攻防が迫力あって見ごたえがありました。世間話っぽい口調だったり、挑発したかと思えば逆に大國の挑発に乗ってみたり、切実に訴えかけるようだったり、相手の反応を見ながら徐々に自分のペースに持っていくところが真壁の交渉能力の高さを感じさせました。あの緊迫した状況下でドーナツを豪快に頬張る肝の据わりっぷりも頼もしくて格好良かったです。

こんなに可愛いとカッコいいと美しいが同居できる人がいるんだろうか、と思う。動揺している時も、慌てている時も、ちょっとドジな時もカッコよくて美しくて、そして可愛い。この役は天海祐希さんしかできないなと思いながら見ています。桃井かおりさんとのシーンは迫力もあって、２人のすごさを感じられて。もっと見ていたいと思いました。

ピンと伸びた背筋にキリっとした表情が格好良くて、ただ立っているだけでも絵になりますね。迷いのないはっきりとした口調も真壁のブレない正義感と芯の強さを感じさせます。低めの声で落ち着きがあって滑舌も良いので、声を抑えても感情的になっても、いつでも台詞が聞き取りやすいところも良いと思います。梶山に「俺たちの今後について話したい」って言われた時のちょっと戸惑ってドキドキしている様子も初々しくて可愛らしかったです。