恋する母たち

妻が若い男と路上で熱烈なキスをしているところにやってきて、メガネをかけなさいっていうのはほんとに怖かったけど。もう全然オス感がない旦那だから浮気されちゃうんじゃない？とも思うし、でもあんな優しい旦那だからバリバリ自分のやりたいことをやりたいようにできたんじゃない？とも思う。夫婦って難しいなと考えさせられた。いい意味でも悪い意味でも優子さんの旦那さんが矢作さんで良かったと思う。

彼の作中でのおっとりした雰囲気・優しい声・話口調が役柄にとてもあっていました。そして今まで触れたいけれど触れられなかった部分でドラマ内で大介に「おまえをモデルにしたい」とインタビューをした時が胸に刺さりました。親子でありながら親子ではない、男同士でもない、何とも言えないけれど強い信頼感と絆を感じた瞬間です。

『この恋』に出ている飯塚さんもそうだけど、矢作さんも芸人さんってほんとに一般にいるどこにでもいる感じの人がうまい。演技してる風もなくほんとにそこにいるって感じ。矢作さんの柔らかい雰囲気に癒されてます。幸せになってほしいな。

お笑い芸人がドラマに出演してるのって個人的には好きじゃないけど、矢作さんの場合、びっくりするほど役柄にはまってて当初は矢作さんとは気づかなかったほど。仕事のデキる妻を縁の下からひっそりと支える人間の出来た夫という役が、驚くほど自然な感じに出来上がってる。
ドラマのストーリーや役柄的には、賞を受賞してからのエピソードとか、もっと描いてくれれば面白いのにと思うけど。

ただの温厚な専業主夫なのかなと思いましたが、浮気した妻に対して言うことは言うんだなと思いました。でも離婚しないのはある意味怖いです…。自分の血がつながっていない息子をちゃんと愛して育てているところがすごいです。でも器が大きいところは素敵だけど、眼鏡の奥で何を考えているのかわからないところがありますね。

奥さんのキス現場を目撃してしまった旦那さんの目の奥の怒り、優しい口調の中の悲しみ、諦め、悟り‥いろんな感情を淡々と織り混ぜてくる。静かな演技で感情を入れるって難しいよね。この人こんなに演技上手だったんだ。すごい！

家事を一手に引き受けて、息子とも良い関係を築いてそうだし、働く母親にとっては理想的な夫。いつも穏やかで、包容力もありそうな点も素敵。でも、与論島に帰りたいと言い出したのは、ある意味では優子との生活に疲れを感じてるのかなという印象。優子は絶対一緒に与論島にはついてこないことを見越して、言い出したことのような気がする。

このドラマで見る小動物みたいな矢作さんがかわいらしくて好きです。家事も完璧子供とも仲良し、だけど‥男性としての魅力はないかもしれない。だからって奥さんが若い男に走っていいとはならないけれど、最後のシーンの含みが怖い。妻の不倫を目撃‥どうすんだ！！

奥さんを大事に想っている感じがとても良く表現されていて、好感が持てます。反抗期の息子に対する態度も、ああいう対応をする父親なら、子供も優しい気持ちでいられるだろうな、と思ってみていました。たまに見せる、お茶目な感じの仕草もツボです。

矢作さんってこんなにかわいらしかったんだとこのドラマで初めて知りました。キャリアウーマンを支えながら小説を書いてるなんて立派だよね。人当たりもいいし息子と仲良しだしご飯も美味しそう‥だけど、あの隠れ肉食の奥さんには物足りないかも。不倫バレたらどうなるのかな。

すごく優しそうで物分かりも良さそうな旦那さんで、働く妻にとってはある意味理想的。でも、母親と息子との間にできてしまった壁に気づかないのか、見ないふりをしている点は、多少無責任な感じもするかな。小説家とは言っても、家事をしてるばかりで、本を書くのはもうあきらめたのかな？