おかえりモネ

亮ちんの船出のシーン。本当に嬉しそうで嬉しそうで。幸せそうにも見えて。その幸せを分かち合う相手はもういないけれど、祈れば届くところにいる。新次さんのあんな笑顔が最後に見れて本当に良かった。これから始まる幸せを少しだけ見せてもらったような気がした。嬉しかった。

お名前は存じておりましたが、最初、この俳優さんは誰？という感じでした
でも、立ち直れないでいるシーン、立ち直ろうとしているシーン、また、引きずりもどされるシーン
そして、立ち直ったシーン　引きずられました
内野さんとは、また違った巧さを感じる俳優さんですね

浜っ子らしい粘り強さと激しさ、思いの強さなどの気性に、新次らしい不器用さと優しさ、そして妻への強い思いなど、複雑に入り乱れた男の生き様を感じさせてくれる素晴らしい演技だと思います。特に前半の頑なで意固地なところから、息子が時化に巻き込まれた後の変化は、見ている者の心を激しく揺さぶるし、美波に対する思いと優しさは涙がこぼれてきます。ある意味で、このドラマの主役級の働きをした役柄であるように思います。

悩んだけれど「新次さんがすごかったよ」とだけ言って、普段は見ていない夫と一緒に火・水曜の分を見た。気づいたら夫が泣いていた。初めてあんなに泣いている姿を見た。夫の父は夫がまだ幼いころに海に出ていったまま戻って来なかった。遺骨も遺品も何もないし、幼過ぎて思い出も。だから何か思うことがあるだろうと誘ったのだけれど「父に対する思いを、矛盾した思いを新次さんが代弁してくれて、少し気持ちがすっきりした」と後で言っていた。新次役が浅野さんで良かった。新次さんを通してほんの少しだけ夫の気持ちを知ることができた。本当に感謝しかない。

いちごの話をしている新次さんは前の荒れてた時とは違って穏やかな顔をしていて、モネちゃんから「幸せになってもいいのかな」と息子が言っていたと聞いた時の反応と、そしてしばらく間をおいてからの表情。そして、今日の美波さんへ祈っていたと話すときの表情。癒えたわけではないけれど自分の気持ちに向き合って受け止めたことがわかって。すごい役者さんだな…泣きました。

やっぱり浅野忠信はすごい！出番も多くないし他の仕事もあるだろうに、ちゃんと気持ちを切らさずにいつの時も新次でいられる。まるでドキュメンタリーを見ているかのよう。心の傷が見えるような演技が胸に刺さる。きっと新次に救われている人もいるんだろうな。

新次さんが荒れれば荒れるほど苦しくなるけど、自分の気持ちを代弁してくれてるんだーって思いの人もたくさんいるんじゃないだろうか。我慢強い東北の人たちの心のうちを思い切り表現してくれてありがとう。どうかどうか傷が癒やされますように。

すごいとしか言いようがない。悔しさやもどかしさ、辛さ悲しさといった負の感情、そしてその奥にある深い深い真っ黒な闇。フミエさんを前にした静の演技と、警官の静止を振りほどいて暴れている動の演技とがずっと一貫してつながっていて。こういう方たくさんいらっしゃったんだろうな。現在も。

朝、港にいるシーン。少し光が見えたような気がした。一緒に喜ぶことはできなくても成長した息子の出港を見にきたと言う時の顔が少し明るくて。亮ちんと同じように「海に恨みはない」という言葉が深くて重くて。つらくても海が好きでたまらない気持ちが透けて見えて。新次さんの少しずつの変化にくぎ付けになっています。

あー、やるせない。あの日たくさんの人が亡くなった。家が船が流された。大変なのはその後なんだよね。シンジさんもあの日死んでしまったのだろう。で、体だけどうにか生きている。それすらももどかしくてお酒を飲む。やるせなくてどうしようもない。たくさんの人がシンジさんに自分を重ねてるだろうな。重たい陰をよく演じていると思う。

良かったよー。被災者の辛い部分を一手に引き受け物語に深みを出してくれている。新次さんの痛みが伝わってきてこっちまで胸が苦しくなるよ。美波さんといた頃の穏やかな笑顔が戻りますようにと願いながら見ています。あちこちに新次さんと同じような思いの方がいるんだろうね。

飲んでいるのが断酒のための薬で、大きな病気でなくて少しホッとした。現在の姿も少しすっきりしていたが、震災前の姿はもっと生き生きしていて。船の図面を見ながら語る姿はもうキラキラしていて。同じ人とは思えないほどだった。あんなに明るくて無邪気な人だったんだと。酒瓶の転がる部屋で泣きながら携帯に残された声を聞くシーンは、見ていて本当につらかった。

この間からのやさぐれた感じがすっかり抜けてすっきりした顔になっていた。きっとなら亮ちんが好きだったころの憧れていたころのお父さんなのでは。亜哉子さんと一緒に病院へ行くということは付き添いが必要だということなのだろうか。もしかしたら悪い病気なのではととても心配になった。

朝ドラで見るのがとても新鮮でなんか不思議な感じ。鈴木京香さんとの二人のシーンとかも貴重だなあって、じっくり楽しんだ。新次が出てくるとちょっと雰囲気が変わり、モネのフレッシュでさわやかなイメージから一気にダークで陰湿な感じになる。浅野忠信さんの持つパワーがすごい。

シンジさんを見てるととても切なくなる。目の光さえ消せる演技に心の闇を感じて悲しくなる。男だし泣いてばかりはいられないけど、きっと心の中ではずっとあの日のままで泣いてるんだろうな。被災地の悲しみを一人で表現してるみたいだよね。

モネちゃんが生まれる時、嵐の中船を出してくれた男気ある新次さん。電話の向こうのシーンでは、なんとなくやさぐれた感じがして。亜哉子母さんが気を使いながら話しているのも、とても違和感があって。永浦家とはもっと近しい関係だと思っていたから。一体何があったのだろうと気になった。