ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜

「早くスタジオに戻しなさい」と激怒する社長から、わざとらしく目を逸らして聞こえないふりをしている姿が黒種らしくて良かった。「嫌です」とかはっきり口に出来ないところや、ソワソワ落ち着かなくて完全に知らんぷりが出来ない姿が、黒種の気の弱さと社長に直接たてつけない会社員の悲しい性を感じさせました。ちょいちょい出て来た警視庁の知り合いって八幡だったんですね。意外な繋がりが知れたのも面白かったです。

いざ番組ジャックという時のブルブル震える指先や、ニュース映像に切り替わったあとも「胸が痛い」と心臓を押さえて苦しんでいたり、報道するっていう覚悟はとっくに出来てるけど、ふいにメンタルやられてダメージ受けてる姿が、動揺して差し替え映像を間違えるというオチも含めて、気弱な黒種らしさ全開で良かったと思います。

「これだけのスクープ集まったんですよ、何としても世に出さないと」と気合十分な姿が弱腰になる折口と良い対比になっていて、黒種の報道マンとしてのプライドが感じられたのが良かったです。顔が広くて色んな情報持ってきてくれるし、意外と頭の回転も速くて自分がすべきことを瞬時に察知して動けるし、弱気だったドラマ前半とは別人みたいに頼もしい姿が格好良かったです。

警視庁の警視と仲が良くて蜜谷の連絡先を教えてもらったり、前島の不穏な動きを察知して査子の仕事を変わってあげたり、有能で頼もしい一面もあるけど、折口に桔梗の居場所を訊かれてあからさまに動揺してオロオロしてしまう気の弱さもあって、出番は少ないけど登場するたびに色んな顔を見せてくれるところが楽しいし、限られた出番でも黒種の人となりがちゃんと伝わってくる演技がとても良いなと思います。

桔梗と査子のやりとりを見て「僕だって報道マンの端くれだ」と手伝いを申し出る姿が格好良かったです。迷いなく毅然と言い放つって感じではなく、戸惑いつつ控えめに宣言するところも気弱な黒種らしさが出ていて良かったと思います。クリスマス特集にあまり乗り気じゃないっぽいなあ、事件の報道したいんじゃないかなってずっと気になっていたので、ようやく覚悟を決めてくれてスカッとしました。