俺の家の話

私同業なので、こんなケアマネジャーいないわ笑笑と言いつつ見てしまった。

ケアマネージャーの末広涼一は寿三郎を最初から完全に認知症患者として扱っていて「扱いひどいな。」と思って失笑しながら見ていました。しかし、なかなか自分の親を認知症として認められない息子達をケアマネージャーの彼が「介護の本質というものはこういうものなのだ。」と家族に教えてくれていたのだと感じ、荒川良々さんのユーモラスな演技で現代の介護の現場を全く暗くならないよう、面白可笑しく視聴者に伝えてくれたと感じます。
ちなみに最終回の荒川良々の棺桶のフタを閉めるシーンは不謹慎ながら、大爆笑してしまいました。本当に良いキャラクターだと思います。

ドラマの中でも実際言及されているとおり、ケアマネージャーとして最高のキャラクターで、こんな人が近くにいてくれたらいいよなあとしみじみ思いました。軽薄な調子で大切なことをさりげなく、でもしっかり伝えるお芝居がさすがです。

飄々としたキャラや心に陰のあるキャラを演じるのがうまい、バイプレーヤーの荒川良々。クドカン作品ではギャグ要素を含んだキャラを演じることが多いので、ドラマを見ながらどんな小ネタを挟んでくれるのか楽しみにしていました。今回は主人公の観山寿一とその家族を支える相談役のような役割だったので、“面白い！！”と感じる小ネタの場面が少なかったのですが、セリフの一つ一つが厳しいながらも優しさを含んだ言い回しが多かったです。
観山一家が旅行する回で、ピンチになるとどこからともなく現れしっかりサポートするスーパーマンのような振る舞いをしたのはめちゃくちゃ笑いました。

ただの熱心なケアマネ、のはずがこの人が演じると役がふくれるのは何故。もっと変化球を投げてきそう、とか、もっと謎なスキルを持ってそう。矯めに矯めて最後にデカイ燃料投下してきそう、と期待してしまう。フツーの人で終わったらそれこそがサプライズな怪優。

まさか家族旅行でこっそりついてくるとは思いませんでした。家ではちょっと事務的な印象でしたが、観山家のことを気にしてくれていたんですね。旅行でのナイスアシストでサプライズな登場にほっこりしました！

出番はあまり多くないですが、良々さんのなんとも言えない冷静さというか、でもどこかくすっと笑ってしまうような佇まいの演技が大好きです。それと、観山ファミリーが介護の現実にに戸惑う中で、ずっと表情変えずにこうした方がいい、など提案しているのがとてもリアルです。クドカンのドラマには欠かせないメンバーだと思いますので、いるだけで存在感と安心感があり大好きです。