パリピ孔明

結局孔明はタイムスリップだったの？それとも転生だったの？行ったり来たりできるものなのか諸葛孔明のコピーとして違う人物になるのか、なんともその辺の謎が全然解明できていないところがモヤモヤしました。英子を助けるために今まで出会った人が総動員されたけど、英子の唯一無二の存在感がないだけにどうしてみんながここまでしてくれるのか分からなかった。だから前世ですごく徳を積んだんだろうなと思うことにした。そうでもしないとただラッキーな人になってしまう。孔明も英子も背景が雑すぎてのめりこめなかった。

結局のところ孔明は英子の元にいることを選択したということなのか、そもそもその後の記憶を持って転生しているから戻るかもというのが思い込みだったのかも。カベ君が前園ケイジを舞台上でディスり、ゴースト二人を開放する流れは良かったと思う。ただ…英子の歌が。孔明が入れ込むほどの素質というか、粗削りでもよいからインパクトが欲しかった。きれいすぎるし、線が細すぎるし、パワーなさすぎるし。だから、すべてに説得力がなくなってしまう。周りが上手いから余計に目立ってしまって。面白い話だっただけに、そこが残念すぎる。

最後、孔明は自分の意志で残ったと言うべきなのでしょうね。とにかく多くのミュージシャンが集まった音楽コメディ＋三国志という内容は、娯楽作品として十分に楽しめました。原作が面白いのはもちろん、ドラマ関係者も頑張ったと思います。気になったのはやはり英子の歌唱パフォーマンスでしょう。これが良くないと物語の根幹が揺らぎます。そこについては正直、可もなく不可もないというか、若干マイナスです。歌は下手じゃないけど、プラスアルファとなる圧倒的魅力は弱かった。マリアとのデュエットもマリアが高い方でハモっていて、そのパワーに負けている。英子の曲とパフォーマンスには新人歌手が売れ始める時によく見る爆発力がない。そこが残念。吹き替えでいいから勢いのある歌い手でも発掘できたら、もっとよかったんだろうけど、そこはタイミングもあるし、仕方ないのかな。

誰しも鼻をへし折られることってあるもんだ。手がかりもない中で売れようとするには自分はすごいと強い気持ちを持ち続けられる人しか勝ち残れないとは思うけど、ガツンと言ってくれる人って案外貴重なのにね。方向転換の仕方は間違っていたけど、そのおかげで売れたんだしなんなら今のケイジを作ったのはオーナーじゃん？恨むよりも感謝した方がいいんじゃない？カベくんの方はなんらかの孔明の意図が動いているように感じた。もやもやした終わり方が嫌だった。

ケイジの狙いは英子ではなくてオーナーでしたか。オーナーにダメージを与えるために英子を潰すってことかな。以前オーナーに似てると言われていたグループをゴーストにして表舞台から葬っていたり、なかなかに無茶苦茶なことをまだまだしそうではある。それにしてもあれだけで根に持つとか、切れるの早すぎてちょっと考えられないけれど。カベ君がケイジの元へ行くのも止めなかったし、孔明はどこから風が吹いたらこの状況がひっくり返ると考えているのだろう。それにしても英子の歌唱力がもう少し欲しいなあ。

前園との戦いを、赤壁の戦いになぞられていたし、それから考えるとＫＡＢＥは三国志の黄蓋の役割かな。でもあれは孔明の計ではないんだけど。それにしても今回も石崎ひゅーい、休日課長、詩羽とミュージシャンがぞろぞろ出ていました。特にイーストサウスの二人、それなりに芝居してましたね。またケイジと小林の因縁がわかりましたけど、正しく良いアドバイスをもらったのにね。音楽って最初はみんな誰かのマネ。そこを越えられるかどうかが本物なのに、ケイジはボンボンだからか、安易な道を選んだ。何にしてもこれだけのミュージシャンを集めて、サマーソニアがしょぼかったら拍子抜けだけど大丈夫か？

前回のミア、今回のマリア、2人が歌った曲は前から英子ちゃんが歌っていた曲。耳馴染みがあったからすぐに分かったけど、2人とも魂の歌というか自分の境遇を乗せて目いっぱいエモーションに歌っている。それに比べてしまうと英子ちゃんの歌は健全で何にも苦労したことがないお嬢さんの歌に聞こえてしまう。やっぱりミスキャストだったかなー。ただ歌が上手いってだけじゃプロにはなれない。孔明が惚れ込んだってところを教えてほしいわ。

「女王蜂」のアブちゃん、「東京スカパラダイスオーケストラ」の谷中さん、そして安藤裕子さんと、相変わらず豪華なミュージシャン勢が次々と出演していますね。見どころは英子が家族と向き合い、新しい曲が生まれるところだけど、その前に強烈なマリア・ディーゼルの歌を聴いてしまっているからね。どうしてもそれと比べてしまう。もっと歌唱に力が欲しいかな。小林がリッケンバッカーで演奏する姿は格好良かった。それにしても密偵は毎度のことながら良い活躍をしている。彼女も本業はミュージシャンで元赤い公園の石野さん。津野さんが生きていたら笑って見てくれたのかな。

ミアさんの歌うドリーマーが素晴らしくて英子が披露する前に歌ってしまって良かったのかと不安になりました。あれでは英子の前にミアさんの歌だって認識されちゃいそうですよね。英子のドリーマーは一点の曇りもない高いお日様を目指すみたいな憧れしかないって感じの歌に聞こえるけど、ミアさんのそれはどんなしがらみがあっても掴み取ってやる！という強い意志を感じられてとても魅力的に感じました。2人の置かれた状況がよく分かる表現で素晴らしかったです。

代役のミアによる「DREAMER」ですが、演じる菅原小春さん自身が歌っているようですね。とてもエモーショナルで、個人的には英子のオリジナルよりもエモかったと思う。サビに迫力がありました。声も良かったです。さて前園の暗躍ですが、放っておいても英子は売れないと思っているようでありながらの妨害です。彼女や孔明との接点は特にないから、遺恨があるとすれば小林に対してってことになるのかな。スーパーアーティストというわりに、スケールの小さい意地悪をしてくるんだなと思いますがww

他者のイイネ！をかすめ取る。戦術としてはありそうだけれど、実際に現代でやったらいろいろ問題が大アリなのでは？アザリエと称して英子のリンクを表示させて誘導するのも詐欺とかに当たりそうだし、他者の楽曲を許可なく演奏するのも著作権侵害とかになりそうだし。結構そういうのプロならシビアだと思うのだけれど。孔明の知られた兵法を下地にしていて、それ自体は面白いと思うけれど、もう少し問題にならないように回避する方法は考えられなかったのかなと残念。それに英子の歌は周りを黙らせるほどの凄みが欲しい。

人気も出てきたアザリエと直接対決をして勝てるほどの技量が英子にあるとは思えない。確かに歌は上手いけどあの場であのテンションの歌が最適だったのか、みんなの心を掴むようなパフォーマンスができたのかとか考えると足りなかったと思う。一般人を遥かに超える聞いたことのない魅力的な声って設定なら上白石さんの歌声だけではカバーできないから、もう少しどう表現するか演出を考えた方がよかったと思う。結果アザリエは新しく生まれ変わったから良かったものの、あれは立派な詐欺だよね？

英子の歌の力というより、孔明の計略によるイイネの方が多いですけど、約束はただ10万イイネを集めることだから、見事な成功ですけど、一番の成功は英子が友だちであり、ライバルである存在を得たということなのかもしれません。でも大きな見せ場でもあったわけで、上白石さんの歌はうまいんだけど、今回はただうまいだけではないもっと圧倒するような何かが欲しかったかな。孔明が元の世界に戻ってしまいそうな雰囲気だけど、きっと英子のために劉備との出会いを遅らせる。それが結果として三顧の礼になるというパターンかな。

自分がやりたい音楽で、自分のしたいスタイルで、売れるのが一番理想だよね。だけどそれと時代が合うかは別の話。同じ志の仲間だってお金が入ったりプロデューサーがついたりすればまた考えの違いも出てくるしね。七海の進む道はこれでいいのか不安だろうけど急がば回れって言葉もあるくらいだからまずは売れることが先決なのかな。そちらが100万いいねをお金で買うならこちらはその前に頂いちゃおうって魂胆なのは分かったけど、お客さんを騙すのはやり方が違うかなと思った。

七海って良いコですね。彼女の葛藤もよくわかる。内心はどうあれプロとして貫かなければならないものがあるからね。唐澤も悪辣なプロデューサーというのではなくただ敏腕なだけ。基本的な決意はAZALEAのメンバーがしているわけで、彼女たちが売れるために尽くしている。孔明の戦略を予想すると、なんとなく英子だけでなく、AZALEAも10万イイネを集めそうな気がするんだけど、そうなるとサマーソニア出演はどうなるのだろう？よりイイネが多い方？それとも両方？いずれにせよ英子のパフォーマンスがどれだけのものになるのかで、このドラマの説得力や感動につながるから、上白石さんの歌に注目ですね。

孔明のラップが予想以上にお経でびっくり。それを臆せずこういうもんだと披露しちゃう度胸の良さが超孔明なんでしょうね笑。軍師だから出たとこ勝負というよりも事前のリサーチ力がすごい。誘い込むのはお手のもの。カベの起点ともなる高校時代の友人まで駆り出すとは恐れ入った。英子も軍師に思うように動かされている感じがありますね。七海に近づけたのも策略でしょう。英子にしか出せない魅力は英子が見つけなきゃ意味がない。英子の目覚めるの待ちですね。

アレンジャーのスティーブ・ギドって、東京事変の長岡亮介さんではないですか。さすがにちょっと奏でただけなのにギターの音色が最高によかった。久遠七海の歌声は演じる八木さんの声ではないので、吹き替えだなとわかったけど、歌っているのはＬｅｚｅｌさんか。道理で上手いわけだ。マリア・ディーゼルは元女王蜂のアブちゃんだし、マキシマムザホルモンのダイスケはんも酒屋で出ていたし、そういう仕掛けはなかなか凄い。さてＫＡＢＥが仲間になったけど、問題は英子。確かに英子の歌は素直だけど物足りない。今のままなら正直、七海の方がいい。英子の歌がどう変わっていくのか、上白石さんの歌唱と表現力にかかっているのかな。

なんだろう、この不思議な感じは。どう考えてもあの冠にスエットでコインランドリーにいたりとか、可笑しすぎるはずなのに普通に捉えちゃっている自分がいる。カベさん、神経性の胃炎？なってるのに無理に引っ張ってきちゃって大丈夫なんだろうか。孔明だから大丈夫だとわかってやってるのだろうけれど。英子は孔明頼みから脱却するようで良かった。孔明のラップもだけれど、英子とラップどう組み合わせるのか想像つかない。

英子は孔明をドラえもんと勘違いし始めた感じがしますね。まぁ今まで何やっても泣かず飛ばすだったのが孔明の策のおかげで注目を浴び始めたのだから、もっともっとと思う気持ちも分かりますが少しは自分でも考えなくちゃね。英子は伸びやかな声が魅力だけど特徴がないと言うかただ上手いだけ。そこにアクセントを持たせる意味でかべさんと組ませたいのだろうか。かべさんの自己肯定力の低さも驚く。クラスの端っこにいる人がよく見たら綺麗な顔してたってやつかもね。

なんだか組むなら赤兎馬の方が「美女と野獣」みたいで良い気もするww。個人的な好みの問題かもしれないけど、ドラマ中で上白石さんが歌った「サヨナラcolor」はちょっと素直に歌いすぎてるかな。ハナレグミはもっとタメがある歌い方で情緒をだしている。それを真似する必要はないにしても、ドラマシチュエーションは場所が場所だけにむしろハナレグミバージョンの「オリビアを聴きながら」とかの方が合っていたかも。なんにしても孔明のラップバトルに注目です。

ぶっ飛んだ設定もなんだかそれを超えて訴えてくるものがあるからすんなりと受け入れてしまうのだろうか。郷に入れば郷に従えという言葉がある通り、はるか昔から来たのにスムーズに今の生活ができちゃうのが面白い。いつのまにクックパッドまで使いこなしていたのも笑えた。オーナーとの三国志の話も熱いのはわかるがこちらの知識が足りなくて悔しい。歴史に詳しい人ならもっともっとクスッとできたりするんだろうな。どんな人生も乗りこなす孔明がかっこいい。

三国志ファンには笑える三国志ネタがたまりませんね。「丁原は不吉」って、そりゃあ不吉でしょうww。劇中の音楽に関しては好みもあると思うのであえて評価はしません。孔明の計略もそううまくいくのかという疑問よりも、孔明が策を展開すること自体が、ヒーローの必殺技みたいなものだから、現実味は薄くても構いません。とにかく英子が上りつめていくことが大事。ただ英子は英子。英子に劉備を重ねてもどこかで破綻する気がします。おそらくそこが見どころになるのでしょう。さて10万イイネのために孔明はどんな献策をするのか楽しみです。

諸葛孔明がそのままの姿で降臨？と聞いて無理だろうと思ったけど、なるほど渋谷のハロウィンにやってくるなんてすごいアイデアだなと思いました。早く言えば渋谷のハロウィンなんて浮世離れした人しかいませんからね。アンパンマンでも諸葛孔明でもなんでもありです。映画のような映像と向井さんの美しさにドキッとしました。そしてオーナーのいろいろ超越したものの考え方が好き。全てを肯定して受け入れるのもオーナーはじめ渋谷の土地柄もあるんだろうな。いろいろ面白くて初回から釘付けでした。