パリピ孔明

本領発揮とばかりにケイジの秘密をラップで暴露するシーンがスカッとして見応えありました。リズムに乗って動き回りながら喋っても言葉が零れ落ちることなく、一つ一つのフレーズがはっきり聞き取れるところもさすがだし、臆することなく前園ケイジとやり合う堂々としたパフォーマンスがすごく格好良かったです。英子とのコラボシーンも、生き生きと楽しむ姿や、手拍子やジャンプなど率先して客席を煽って盛り上げるところがステージ慣れした天才ラッパーらしさが感じさせて良かったと思います。

「仲間を裏切れない」とケイジの誘いを断るシーン、格好良かったです。孔明の指示通りの行動ではあったけど、これまでの孔明たち３人と一緒にいる時の楽し気な姿や見事な馴染みっぷりを思うと、その指示がなくてもきっと断っていたんだろうなと感じられるところも良かったです。孔明との喧嘩シーンも、きっと作戦の一部なだろうけど相当ショックを受けたしんどそうな表情をしていて、孔明たちとの絆の深さや仲間意識の強さがより際立って感じられて良かったと思います。

新曲作りをすることになった英子に「手伝えることあったら何でも言ってね」と気さくに声をかけたり、乾杯する時も「桃園の誓いだ」と三国志に結び付けていたり、すっかり皆と打ち解けて仲良くなっている姿が微笑ましかったです。知り合いから高井戸の情報集めてきて孔明に教えてあげたり、生放送台本の盗撮をアシストするなど、孔明の右腕としての活躍っぷりも頼もしかったです。

AZALEAファンを挑発するようなラップ、生き生きと軽やかで格好良かったです。動き回りながらでも声がブレず、言葉一つ一つが聞き取りやすいところもさすがだなと思いました。ドローンの操縦に小学生男子みたいに興奮していたり、ディスった仕返しに七海にお腹をパンチされちゃったり、英子ともアイコンタクトで会話出来るくらい打ち解けていたり、KABEの本来の人柄や愛嬌があちこちで垣間見れたのも親近感が湧いて良かったです。

作戦決行前の「いつでもOK」っていう余裕のある佇まい、すごく頼もしかったです。お腹壊してへなちょこだった姿とはまるで別人みたいで、完全に覚醒したのが感じられて、次回見せてくれるであろうパフォーマンスがめちゃくちゃ楽しみになりました。緊張気味の英子をちょっと気にしつつ、変に励ましの言葉をかけたりはせず、彼女の集中する時間を邪魔しないところも同じアーティスト同士ならではの気遣いが感じられて良かったと思います。

さすがラップ上手だねー。ベビーフェイスで細身だから弱々しい役をしても違和感がない。だけど紙を飾って舞台に立つと全然違う雰囲気になる。そこが魅力。ラップも上手だし化ける感じがいい。覚醒した今後が楽しみだわ。

孔明に挑発された瞬間、ギラっと目に力が宿る姿が良かった。闘志に火がついたのが伝わってきて、どんなラップを披露してくれるんだろうってワクワクしたし、バトルが進むごとにどんどん目力が強くなって表情が生き生きしていく姿もKABEの覚醒を感じさせて、見事なラップとともに見応えがありました。最初のひ弱さとは違う頼もしさも感じられて、仲間になってくれてとても心強いです。

琉弥って本名らしいし、しかも由来は劉備玄徳からとったみたいなので、このドラマのキャストに選ばれたのは奇縁といえるのかもしれませんね。正直、ラップは赤兎馬の方がうまかったけど、まあ演じているのが本物のラッパーだし、そこは仕方ないでしょう。おどおどした感じと、堂々とした感じと、振れ幅が大きい役だからこそ、その間の演技が大事なのだけど、そこがわりと普通というのがむしろよかったと思います。まだまだ若さと強引さで走っている感じですが、期待点も含めて評価したいと思います。

教室の中で居心地悪そうに必死に気配を消そうとしている様子が内へ内へと向き合うことになってそれを発散するのがラップという1人の人物の成り立ちがよく描かれていたと思います。手当たり次第韻を踏むことを考える癖が抜けないところもラッパーらしくて良かったです。

日常生活の何気ないことを全てラップにして口ずさんでしまう姿が、ラップへの情熱や未練を感じさせました。つい無意識に口ずさんでるようなところも、ラップが身体に沁みこんでいて生活の一部になっているのが伝わってきて良かったです。お腹が痛くなってしまう演技も本当に脂汗をかいてるようなリアルさがあって上手かったし、英子の歌を聴いて迷いや葛藤が晴れていくように表情が変わっていくところも良かったと思います。