パリピ孔明

運転手が落とし穴に落ちたあと、シャベルを肩に担いで登場する姿にスカッとしました。見た目あんな怖そうで厳ついのに、英子たちのために立派な落とし穴を作ってくれる良い人っぷりもジワジワくる。たびたび口にしていた「穴掘ってんじゃねえぞ」っていう台詞も最終回できっちり回収していて、出番は少なめではあったけど要所でしっかり存在感を示す良いスパイスになっていたと思います。

自主的にゴミ拾いをしていたり、英子の親の話にも耳を傾けたり、ゴミ拾い手伝ったお礼に缶コーヒーを奢ったり、意外な人の良さが垣間見れたのが良かったです。パンチの効いた見た目とのギャップが良いですね。ワクワクした様子で川に向かってタマちゃんに呼び掛ける姿や、その後英子がやってきて慌てて取り繕うところもチャーミングでした。

赤兎馬といえば、あの呂布がまたがり、一日に千里を駆けるといわれ、気性が激しく、呂布や関羽といった豪傑しか背中を許さなかった馬の名前です。その名である以上、まさに暴れ馬のごとく、強靭に駆け抜けるイメージかな。そもそもELLYさんについてよく知らなかったんだけど、本物のラッパーなんですね。道理でラップがうまいわけです。芝居の方はきっちり演技をしているという感じではありませんが、荒々しく、挑発的だけど、その中にちゃんとライバルに対するリスペクトがある感じは伝わってきました。

台詞は棒読みだけど、醸し出す雰囲気が「本物」感を漂わせていて、カリスマの説得力があるところが良かったです。覚醒したKABEのステージを見終わった後の頷くような仕草や満足げな横顔も、KABEの完全復活を称えているのが伝わってきたし、グータッチと見せかけてお腹にパンチをする手荒い祝福も赤兎馬らしくて良かったと思います。

がっしりした体躯と鋭い眼差しが迫力満点で、クラブの迷惑客やKABEがビビりまくる説得力がありました。KABEの自宅の窓を抑え込んでるだけなのに家がミシミシいってたり豆球が揺れてたりという、格闘家のような怪力っぷりも違和感がなくて良かったし、ラップもさすが本業、めちゃくちゃ様になっていて格好良かったです。