プリズム

この期間に大きく成長したのは2人。皐月は陸のことを通してお父さんとシンジさんのことや同性愛のことを深く知り分かり合えるようになったし、なんとなく生きていた感じから自分の明確な夢を叶えるところまで持ってきた。そしてもう1人は剛くん、女はーとか男はーとか一番拘って俺について来い！的な振り向かない男だったのにアヤカと出会ってそれこそ180度変わったよね。最後には嫁と子供を支えるために育児休暇を取るとまで宣言。すごい成長を見せた。2人を見ていると人生ってまだまだ知らないことがあるし、まだまだ伸びるかもしれないと思わせてくれた。清々しい気分で終われたのが良かった。

皐月だけが生身の人間を感じられなかった。子供っぽい外観と感情の機微が感じられず。それでいて最終回の森の中での帰り道の感情爆発は違和感あり演技も声張り上げてるだけだし。森山未來の存在感と母親役の若村麻由美は素晴らしかった。

皐月と陸と悠磨の３人の痴話喧嘩がとても長くて皐月のキンキンした声が嫌で何度もチャンネルを変えたくなってしまったが特別な結末があるような気がして最後まで見てみた。でも特別なことは何一つなかった。今流行りのいろんな性別や趣向の人を盛り込んでナイーブに描かれているけど、陸は結婚しようと思った人ができたけど、思いを残したまま別れた元恋人が帰ってきてそれを今の恋人に知られて修羅場ってやつでしょ。性別を気にしないって言うならそういう簡単な話よ。それを女だからとか男だからとか特別視してるだけ。そう言ってる間はいつまでも壁はあるだろうね。なんかチャンチャラおかしい。

恋人、親子、友達…いろんな愛が描かれていて本当の愛を浮かび上がらせていると思います。特に白石の人物像とそれを演じる森山未來さんの演技が秀逸で感動します。

皐月って損な性格だね。傷つきたくなくて臆病で変なところに意地っ張りで頑固。結婚しようと思うほど大人なら陸のお父さんくらいの話に合わせられなくてどうするの？ああいうのを世間知らずって言うんだよ。別に子供のことだって前向きな姿勢を見せておけば角は立たないのにさ。皐月の母ならいられないよ。そんな風に揉めてるところにゆうさんが来ちゃったじゃない。シンプルに相手も自分も思い合っていて世の中に堂々と関係を認めてもらえる、ゆうさんには眩しいほどの幸せが手に入るのにそれをしようとしない皐月がもどかしい。

元旦那のパートナーが男性とか恋人の忘れられない人が男性だとか、センセーショナルだからそっちに目がいってしまうけど皐月のお父さんと彼の話は全く別物じゃない？
お母さんが許せないのはまずは不倫でしょ？結婚している頃からケンジさんと繋がってたんでしょ？そうなると今の関係を許すとかそういう次元の話じゃなくなるよね。事あるごとに皐月がお父さんの生き方を認めてあげて的な話をするのがよく分からない。そこまで寛容にならなきゃいけないなんて嫌だ。

どちらかと言うと年齢を重ねて綺麗だけではないいろんな感情を知ってしまったからお母さんの気持ちがよくわかってしまう。だから娘の皐月にそんなに嫌な顔しなくてもと思ってしまう。大好きだったからこそ裏切られた気持ちは大きく、憎まないとやってこれなかったのでしょう。夫の次の人が男の人だったなんて女性の私は最初から対象じゃなかったんじゃないかとか、幸せだと思っていたのは自分だけだったんじゃないだろうかとかすごくすごく悩んだと思う。だからこのお母さんを嫌いになれない。皐月に分かってもらうには早すぎるけど、いつか分かってもらえるといいな。

今回はなんと言っても皐月の友達のあやかがいい仕事しました！いつまでも俺に気持ちあるんだろう的なもう一押しすれば落ちるんだろう的なイケイケオーラ出まくりの荒木に、キツイ一発をサラッと言ってくれたあやかに感謝！！よくぞ言ってくれました。田舎に帰るより荒木がいるのが嫌って‥ショックだったでしょうね。ただ今彼と先生の昔のことが皐月にバレるのも時間の問題かと思うので、傷ついた皐月にまた荒木が現れそうで怖いな。

（4話まで見ての感想です。）久しぶりにおもしろい、じんわりいろいろな思いがめぐりくるドラマに出会えました。感謝です。花ちゃんの演技はほんとうに素晴らしい、これも感動もの。さつき、幸せになってほしい。内在するテーマは現実的なもの、それを自然に展開している演出もすばらしい。

皐月っておっとりしていて頑張ってる感じもこじんまりしていてかわいい雰囲気あるけど、結構自信家なんだなとびっくり。普通付き合いたての彼氏がいていくらラブラブでも、彼が思ってたよりも育ちが良くて父親から信用のために身を固めろって言われてるって聞いたら相手が自分なんて思わなくない？半分くらいは期待しつつお見合いするから別れてって言われるのかとか、ビクビクしちゃってもいいところだけどそんなこと全然考えてない感じがちょっと引きました。
しかも偽装結婚を持ちかけるなんて‥後でいいように扱われるのは自分だって気づいていないところが痛々しい。

妻としての夫との関係と、娘としての父親との関係は違うからね。お母さんがどんなに憎んだとしても子供のアルバムの中にいるお父さんまで排除しないでほしい。旦那が憎いだけでそうしたとしても、子供からしたら自分の過去が欠落したようなものだから。自分のルーツまで否定されたようでは自信を持って歩いていくなんてできないよ。母娘の関係に目を奪われていたけど、彼も男性を好きになる人だったのね！これにはびっくり！母娘ともどもそのことに苦しめられるってすごいよね。なんか、もう、お祓いとかした方がいいと思う‥。

皐月と森下が恋人になるのは早いなと思ったけど、まぁ大人だしいいなと思えばそんなもんかなと思った。でも皐月のお父さんと会うシーンで、お父さんとの確執は理解できてもその相手が男性ならすぐにそれと分かるのはちょっと違和感あったかな。普通なら同僚とか友達だって思うだろうし、子供までもうけた家庭のお父さんに同性の彼がいるなんてすぐには想像できないし。ただ森下が踏み込んでくれたからこそできた和やかな場はほんとに良かった。他人だからできることって案外あるのかもしれない。