ラジエーションハウスII～放射線科の診断レポート～

小さな赤ちゃんの患者を前に、この日のために海外まで研鑽を積みに行ったのだという気概と絶対成功させるんだという強い想いと少しの不安が入り混じったいい表情をしていました。震える手を気合いで封じ手術に臨む医師。普段のふんわりした雰囲気からガラッと変わりカッコよかったです。

前シリーズでは理解あるどこか天然な上司という感じでしたが、このシリーズでは普段の鷹揚でふわりとした感じから、一転してプロの医師としてのプライドをのぞかせるところまで、大きなふり幅を見せてくれました。どんな人間にでも譲りたくない一線はあるし、そんな時には多少横暴にも感情的にもなるのが人間というものです。どちらかというとあまり人間臭くない役柄だったのですが、ここにきて院長を辞めてまでこだわった頑なさが伝わってきました。

10円禿げで悩む広瀬にわかめスムージーを出してあげたり、その上からわかめをさらに大量にトッピングしたり、広瀬を心配して気遣う優しさは十分伝わってくるけど、ちょっとだけズレてる感じが大森らしさ全開で良かったです。何しててもお茶目で可愛らしいですね。かと思えば核心をついた助言をする頼もしさもあったり、天然っぽかったり、色んな面を持った魅力的なキャラクターを作り上げていると思います。

人当たりが良い一方ふわふわしていて掴みどころ無く、優しい雰囲気でありながら見るべきところはしっかり見ていて、そして凄腕を隠し持っている。そういう相反するようなものを上手く合わせ表現されていると思います。

院長が辻村の件にかこつけて救急科を閉鎖しようとしてることもお見通しだし、救急の受け入れを許可して謹慎中の辻村を呼ぶよう指示したり、洞察力が鋭くてやり手なところが普段の飄々とした姿とギャップがあって頼もしかったです。辻村のこともラジエーションハウスのメンバーのことも心から信頼しているからこそ出来る行動だなあと、仲間を信じる真っすぐさと潔い決断力に惚れ惚れしました。

謎のお茶や珍しい食品を皆に振る舞ったり、本気か冗談か分からないフワフワした態度や口調が一筋縄ではいかない良い意味での曲者感を醸し出していると思います。悩む五十嵐に「何が正解か人それぞれだから」とそっと助言をするなど、ちゃんと相手の本質を見極めて核心をついてくる鋭さや賢さ、優しさもあって、色んな顔を持った一言では言えないキャラクターを魅力的に演じていると思います。

飄々と自由に見えてちゃんとポイントは押さえていて、同期という立場を上手く利用しつつ放射線科全員再雇用させてしまう手腕がお見事でした。ほんわか笑顔で掴みどころがない感じだけど、いつの間にか自分の意見を通してしまう大森らしさは健在で、放射線科や五十嵐の敵ポジションの院長を掌で転がす姿が頼もしかったです。

あー、この人のこのふんわりした雰囲気が好きったんだよなって思い出した。年下の頑張ってる若者たちを微笑ましく見ながらそっと背中を押してあげてる。うふふと笑いながらみんなを手のひらで転がしてるのね。こんな可愛らしい女性になりたいな。