Re：リベンジ―欲望の果てに―

海斗の本心を聞いてしまった時のブチ切れっぷりが見応えありました。ずっと海斗のことが信じきれなくて不安とモヤモヤを抱えた顔をしていたので、真っすぐ海斗を見据えて「全て記事にして公表します」ときっぱりと言い切る姿や覚悟を決めたキリッとした表情、「触らないで」と全力で拒否する姿も見ていてスカッとしました。ラストの衝撃の展開もインパクト強かったです。

医療過誤の件を海斗に直接尋ねるシーン、「手術は成功したんですよね？」「隠蔽なんてしないですよね？」と縋るような眼差しで何度も確認する姿が切なかったです。海斗を信じたいという気持ちと「もしかしたら…」という記者としての嗅覚の狭間で葛藤する様子が痛いほど伝わってきて、見ているこちらも胸が苦しくなりました。

記者会見に臨む海斗を見つめる表情に、彼を遠くに感じているような寂しさや知らない人を見ているような距離感が滲んでいたのが良かった。海斗に誘いを断られた時の悲しげな伏し目や、陽月の名前を出す時の一瞬の躊躇いなど、「忘れて下さい」という言葉とは裏腹な海斗への変わらぬ想いを滲ませる演技も切なくて良かったと思います。

高級そうなお店に連れて来てくれた海斗に距離を感じて寂しそうな顔をしたり、お店の手配は全て高村がしてくれたとするとあからさまにホッとした笑顔になったり、今も変わらない海斗への想いが表情だけで伝わってくるところが良かったです。想いが溢れ出ないようにこれまで通りに明るくサバサバと接する健気な姿も切ない。海斗との電話中、彼の心には陽月がずっといて自分の入る隙間はないと改めて実感したような茫然とした表情や、電話を切った後の意味深な間も、何かよからぬ方向に進まないと良いなあと心がザワザワさせられて印象に残りました。

宇佐美の狙いが分かっているのに海斗のために無茶をしたり、融資の取り付けが出来なくて泣きながら海斗に頭を下げたり、自分を犠牲にしてでも海斗の力になりたいという強い想いが感じられて、見ていて胸が痛かったです。告白シーンで見せた辛そうで想いを口にしたことを後悔しているような表情も印象的で、絶対に報われない恋なんだと自分で悟っているのが伝わってきて切なかったです。

スクープを横取りされてウジウジ落ち込むのではなく、その怒りが仕事へのエネルギーになるところが記者としての信念がしっかりしていて負けん気が強い木下らしくて良かったです。大友と対峙するシーンで、彼の迫力に圧倒されつつ、ただ言いなりになるのではなく「カマかけてますよね？」と攻めてみたり、表情を探るように見つめたりと記者魂を覗かせる姿も頼もしくて格好良かったです。

陽月とのシーン、こちらが言いたいこと全部言ってくれてめちゃくちゃスカッとしました。感情的になり過ぎずに終始冷静さを保っていたけど「恋人だったんでしょ」と口にする時にほんの少し嫉妬を滲ませるところや、海斗への誤解を解こうとするような話しぶりなど、ふとした時に海斗への想いを感じさせるところも良かったです。

誰にも信じて貰えず、辛い状況で絶望する中「ホントに生きてた」「情報量が多すぎる」と明るいサバサバした口調で海斗の前に登場する姿に海斗同様、観ているこちらも救われた気がします。「良かったです、無事で」と労う時の心底ホッとしたような表情も、５か月間ずっと海斗のことを気に掛けて心配していたことが伝わってきて良かった。海斗に色々と協力してくれるのも、先輩だからとか恋心ゆえっていうだけでなく、それ以上に「真実が知りたい」っていう記者魂を感じさせるところも格好良かったです。

先輩相手でも言いたいことはっきり口にする姿が見ていて気持ちが良いです。時折見せる拗ねたような表情や切なそうな視線から、海斗への想いが伝わってくるのも良かった。書きたいことがあるのに書かせてもらない苛立ちやもどかしさを抱えている姿も印象的で、若いけど記者としての信念や志がしっかりある、芯の強さや真っすぐさが感じられたのも良かったと思います。しっかり者だし行動力もあるし、海斗の味方として傍にいてくれるだけでとても頼もしいです。