Re：リベンジ―欲望の果てに―

会長が母親のことに触れた時の怒りや悔しさが滲んだ表情、潤んだ目、何よりいつも余裕のある大友が人前で会長の胸ぐらを掴むという冷静さを欠いた姿に、彼の母の死に対する思いの強さを感じて印象に残りました。会長をベッドに拘束して楽しそうにジワジワと責める姿や「終わったんですよ、あなたは」と冷たく言い放つシーンもスカッとしたし、最後の最後で新理事長として念願のあの椅子に座った時のニヤリとした笑みも、タイトルの「リベンジ」を彷彿とさせるようでゾクっとしました。

劣勢に立たされていても常に冷静で、先を読んでどう行動すべきかを判断出来るところが理知的な大友らしくて良かった。どれだけ不利な状況になっても、この人なら何とか出来そうという頼もしさや貫禄があるところも、ラストの理事会でのリベンジ展開に説得力を持たせていて良かったと思います。若林が証言した時のニヤっとしたしたり顔もスカッとしました。

最近は海斗に少し押され気味の感じだったので久々に「もう逃げられませんよ」と勝ち誇った笑みを浮かべる姿が見られて溜飲が下がる思いがしました。陽月の名を出して海斗を挑発して本音を引き出すシーンも、相手の表情を窺いながら会話の間や声のトーンを絶妙に変化させながら煽っていて、大友の駆け引きの上手さが感じられて良かったです。

医療過誤の件で海斗を追求するシーン、穏やかな口調だけど隠蔽を図った海斗への怒りや悔しさ、自分なら美咲を救えたかもしれないというもどかしさや後悔が表情や台詞の間から滲み出ていて、大友の医師としての信念や美咲や陽月を大切に想う気持ちが伝わってきたのが良かったです。海斗のクズっぷりに苛々していたので「人の上に立つ資格はない」とバッサリ斬り捨てるところもスカッとしました。

海斗への嫉妬や悔しさは皆無ではないと思うけど、美咲の手術やプロジェクトに関して海斗に意見する姿は、患者の容態や病院の未来を本気で思ってのことなんだろうなと伝わる、真剣な眼差しや表情が良かったです。私情丸出しで感情的な海斗と違い、個人の感情と医師としての信念・責任感のバランスがしっかり保たれている姿も大友の賢さを感じさせて良かったです。

会長からレイスキャピタルとは契約していないと伝えられた時の虚を突かれたような表情が印象的でした。いつも先を読んで余裕がある姿とギャップがあり、完璧なだけではない隙が垣間見れたのが人間味があって良かったです。美咲の手術を強行しようとする海斗に苛立つ姿も、出世争いや恨みなどの私情というより、医師として本気で彼女のことを心配して助けたいという思いの方が強く感じられたのも良かったと思います。

理事長戦に敗れたのに悔しさを感じさせなかったり、レイスキャピタルの悪い噂を掴んでいる様子だったり、負けても余裕たっぷりで先の先まで見据えているような姿が、大友の賢さと慎重さ、海斗より何倍も上手な力量を感じさせました。海斗に「おめでとうございます」と言った後、彼の後ろ姿を見ながら笑いがこみ上げてくる姿も、何を企んでるんだろう、何を仕掛けてくるんだろうとハラハラ・ドキドキした気持ちにさせられて印象に残りました。

このドラマの前に出てた不適切にもほどがあるとの振り幅が凄すぎて、やっぱりこの人うまいなーって思った

バーで木下に声をかけるシーン、笑みを浮かべているし穏やかで丁寧な口調なのに凄みと圧がすごくて怖かったです。相手の何歩も先を読んでいるような賢さや余裕を漂わせていて、カマをかけているのか本当に証拠を握っていて海斗を追放出来るのか判断がつかない絶妙な表情も良かったです。海斗に出し抜かれた時の動揺や苛立ちが入り混じったような表情も新鮮で、これからさらに本格的になるであろう海斗との対立構造がよりはっきりしたものに感じられたのも良かったと思います。

何があっても動じず、海斗や市子に敵意を向けられてもサラリと躱して、相手の反応を面白がっているようにさえ見える余裕があって、台詞は決して多くないし派手な芝居でもないんだけど、あの強烈キャラたちに囲まれてもしっかり存在感を示しているところが凄いです。ラストの海斗とのやりとりも、挑発するような口調や表情、「絶対にあの椅子に座ってみせます」と宣言する時の迷いのないはっきりとした口調が印象的で、海斗への明確な敵意や権力への強い執着が感じられて良かったです。

海斗が何を言ってきても、笑みを浮かべて余裕綽々な態度で躱す姿が、一枚も二枚も上手な大友の手強さを感じさせて良いですね。陽月にキスをした後、ミラー越しに海斗の存在を確認してニヤと笑うところも、海斗を徹底的に傷つけてやるという強い憎しみや、陽月を復讐の道具としてしか見ていない冷酷さを感じさせて良かったと思います。

智信と面識があったり、海斗とすれ違った時に振り返ってその様子を見つめていたりと、表情も佇まいも意味深に感じることが多く、謎の男・キーマンらしい存在感をしっかり発揮していたと思います。クールなキャラが感情的な海斗と良い対比になっていて、今後強まる二人の対立関係を彷彿させたところも良かったです。