量産型リコ-もう１人のプラモ女子の人生組み立て記-

せっかくチャンスをモノにできてドリクレがうまく回り出したのに、それに執着することなく自分の道を歩み出したリコ。次にやりたいことが見つかったからってことなんだろうけど、リコにとってのドリクレがどんなモノだったのかイマイチ掴めず、話が終始プラモデル寄りだったのが印象的だった。前シリーズのリコは頑張ることはしたくないとか今どきの量産型の若者っぽさが全開だったから会社帰りのプラモデルがサマになったけど、今回のシリーズは取ってつけた感があって違和感があった。今回のリコにはイマイチハマらなかったなー。

結局、リコはドリクレを辞めるんですね。まあ好きなことを見つけ、好きなことをして生きられるのであれば、それでいい。ご都合主義の展開は今更だし、甘い脚本や下手な演技も今更。このドラマのポイントはそこにあるのではなくて、特別ではない「量産型」の人たちだって、いろんなことが出来るし、たくさんの可能性を持っているということ。なので全体として高い評価出来ないけれど、そんなに悪いドラマではなかったと思います。さてシーズン3はあるのかな？

新規の出店ならともかく今あるスーパーへの提案で食から解放って、はぁ？ってならない？これ一つで栄養が取れますってなったらスーパーは無駄なもの置いてますよ？って言ってるようなもんじゃん。スーパーの人の思いとか全無視している気がして、どうしてこれが最終プレゼンまで残ってたのか分からないほどだった。庶民的なスーパーには革新的すぎてダメでしょうね。その点真っ赤なザクを作ったところは一貫性があっていいなと思いました。

社員数が増えれば居心地なんて言ってられないと思うけど、ユニコーン企業の良さはそういうところにもあるのでしょうね。プレゼンで勝ったドリクレも、どこまで居心地が維持できるのか。でもパーフェクトビーンズの商品は無いな。若い独身者の発想です。ファミリー層も多い店には行き過ぎかな。ヒット商品は1歩先じゃダメ。半歩先くらいが売れる。プラモのシャア専用ザク対決ですが、結局はそれぞれ専用の形は？ということですね。正解はないわけで、何でリコの勝ちかわからないけど、個人的にリコの出来の方が好きです。

前シリーズを見ている人には懐かしい顔も出てきました。おやじさんのケガネタも前シリーズ同様です。そのせいでメタなネタも多くて、内輪受け的でしたが、とりあえずちえみちゃんが元気そうで何よりです。さてリコの集大成という感じのF14トムキャット、良かったですね。何とか不時着したドラマが想像できます。汚しといい、ジオラマといい、是非とも実物を見てみたいと思う出来でした。ある世代のマンガ・アニメオタクにとってトムキャットは、ひとつのアイコンですからね。そしていよいよ京子との対決となりそうです。

これで会社がやっと芽を出すかって時に社長がプラモデルにハマってせっせと訓練してるって分かったら社員はどう思うのだろうか。新しいアイデアの足しにとか言い訳をしたとしても私なら嫌だな。前回のシリーズは一般の会社員だったから身近に感じられたけど、ユニコーン企業の社長となればそんなことやってる時間あるの？って思っちゃう。量産型っていうのにも当てはまらないような気がするし、変に設定変えなくても良かったと思うなー。

浅井って大して仕事しているように描かれていないし、物事をよく考えているタイプではなく、勢いだけ。目立ちたいっていう嫉妬だけで、社長交代を言い出すのもあまりに子どもすぎます。せめてもう少し仕事ができるところを見せておかないと、本当につまらない男だなという感想しか浮かばないので、ここまでの脚本や演出に首を傾げます。別にじゃんけんで決めてもいいけど、リコの覚悟の強さを運任せなゲームに投影するのも、ちょっと違う気がします。全体的に首を傾げることが多い展開でした。

やっぱりリコは社長の器なんだなと改めて思った。最初はすごく頼りないし若くてかわいいだけかなと思っていたけど、自分の感情だけで動くことなくちゃんと社員のことを見てくれるしいいところを伸ばしてくれる。そして何より社長をじゃんけんで決め直そうという提案にすんなり乗れるところよね。軌道に乗り始めた途端に社長を決め直そうなんて普通は嫌だろうに、誰がやってもこのチームでやっていくという自信があるんだろうなと思った。自分1人でやっていけることなんて何一つないと考えられるリコは素晴らしいと思った。

オフのリコちゃんはまるっきり子供みたいでそこもかわいかったなー。お兄ちゃんのプロポーズはてっきり花火に合わせてたのかと思っていたけど、急に思い立ったんだね。でも家族がいて恋人がいて幸せな気持ちが溢れた時に、なんていいなと思いました。ま、ダサいとかは本人たちが良ければいいのでここはなにも言うまい（笑）家族が増えることは嬉しいけれど何かが変わってしまう寂しさもあるのかな。ここには父親が全く出てこなかったけど、それが日常になっているのがある意味怖いなと思いました。

リコの兄のプロポーズ、かなりダサい。でもまあ、ロマンチックなプロポーズより、案外ちょっとダサいくらいのプロポーズが普通なのかもね。兄とユキが付き合っているのを内緒にされず、知っていたら一緒に喜べていたというのが、リコの本音でした。でも兄弟の結婚ってなんか照れくさくて、いろいろ話したりできなかったりもする。ひとつクレームをつけたいのが、マジンガーZの翼は「ウイング」ではなくて、「ジェットスクランダー」です。リコはともかくやっさんは拘るべきところだと思うんだけど。

みんなで結束を固めるためにグループワークでプラモデルって新しいしなんだかいいね。少人数の会社だからこそできる技。自分が得意なことや助けてあげられることを見つけたり、逆に苦手なことや助けてほしいことを素直に言えるようになるっていうのも重要かな。リコも頼りないと思っていたけど周りをよく見てみんなをまとめるいいリーダーになってきた。プラモデルをポキポキ切っていく音がとても心地よくて自分でも挑戦してみたくなります。

まあ、起業するというのに、あの程度の質問に対する答えを用意しておかないのは、いくらなんでも学生臭すぎるけど、もっと良くないのは熊本や後田はしっかりと社会経験を積んでいるわけで、知識も対策も持っているのだから、その二人に素直に聞けないこと。これは普通の会社に勤める若い人にも言えるけど、先輩の知識や経験をかいつまんで短時間で学べるのは、若さの特権。それをうまく利用すればいい。さて今回のプラモはドムでした。 黒い三連星、なかなかの連携でしたものね。黒い五連星にも頑張ってもらいたいものです。それにしてもアオちゃんは出来る女でした。

後田さんは過去の栄光を引き摺りまくりの天下りって感じでほんと気分悪いわー。多分リストラされた方なのにそんなこと知らない若い子たちを下に見て適当に仕事してます風なのがまたムカつくよね。ベンチャーのバックアップなら新しいことを挑戦している俺に酔えたのだろう。クビにしてしまえ！と思ったけどリコは器が大きかった。まぁ気に入らない人をクビにしていたらそれの繰り返しになるもんね。育てて役に立つ人材にする方が賢い！リコのやり方に感心した。

後田みたいに前職のやり方を引きずってる人っているよね。確かに前のキャリアを鑑みて採用しているわけだけど、企業規模だけでなく、やるべきことだった違う。そこは新人として意識して欲しいし、大人なんだから大人らしいところをみせて欲しい。つむじを見たら終わりなんて言うけど、中小などほとんどの会社はむしろ頭を下げてなんぼ。頭を下げるくらいで何とかなるならいくらでも下げる。逆にそれがある種の生き残りをかけたプライド。それにしても仮面ライダーのプラモ、素材といい、ディテールといい、結構こだわってますね。それこそ大人の余裕みたいな感じです。

転職組は良きにつけ悪しきにつけ、心の中では前職といろいろ比較します。だから転職組を嫌がる時代もありました。でもそれは転職組も納得してくれる会社にしようという、経営側の責任感が不測していたともいえると思います。責任感が想像力を生むというのは良い言葉です。でも責任感は初めの浅井のように押し付けるものではない。自然に責任感が生まれるまで、リコ曰くの兵糧攻め的な、待つことも重要だと思います。これでまた一歩、会社らしくなってきました。

リコが覚えたての言葉を意味も調べずに使っちゃう迂闊さにドキドキしてしまった。意味も知らずにクビを宣告したことになっちゃうなんて会社の代表としてはまだまだですね。会社の飲み会などは仕事外と考える熊本さんは今流行りのドライな方かと思いきや人知れず傷を抱えていたのですね。ドライな外資と日本人はまだまだ合わない気がします。傷つく人も多いのでは？その点ほんわかしたリコの会社は一蓮托生のようですね。絆がなくても会社は回るけど侘しいですもんね。

確かに良いアイディアも後発が大手だったりすると、あっという間にシェアを持っていかれるなんてこともある。学生のノリのままではダメだけど、初心を忘れるのもどうかと思うし、中途半端を悪いことではなく無限の可能性がある状態だと考えるのは、量産型の思考として良いと思います。それにしても「三角関係といえばマクロス」というのには笑いました。マクロスが流行っていた時代を知る者にはウケます。それとプラモですが、1枚のライナーに複数色がセットされているのに驚きました。何十年もプラモに触れていなかったから、そんな小さいけれど大きな変化にビックリです。

飛ぶ鳥を落とす勢いや光の早さでってこういう業界っぽさ全開のワードがちょいちょい出てきますが、いかんせん前シリーズののんびりした雰囲気が思い出されてしまうのでなかなかついていけない。ただちょうどよくリコの同級生が出てきたりベタな展開もありなかなか面白い。ユニコーン企業として奇抜なアイディアを求められるけど、やっぱり根底には誰かを幸せにしたいってことがある方が最終的には生き残ると思う。その点ではリコは満点。光の早さにはついていけそうにはないけれど３人のペースで成功することろを見てみたいと思った。

前シリーズを知っていたのであれ？再放送かな？と思いましたが、しがない会社員だったリコがユニコーン企業を目指していたので違うなと気がつきました。キャストも見た顔ばかりだけど役が違うから慣れるまで、懐かしさと戸惑いで忙しかったです。ただ量産型と言われるのは無難に生きているという意味だと思っていたので前シリーズのリコがピッタリ。今回のリコは革新的だと思うので、どう量産型を出していくのか気になるところです。

前作の続編ではなくて、キャラ設定を変えた新編なんですね。ユニコーン企業だからユニコーン・ガンダムでスタートというあたりは、前作っぽいチープさがあって、それはそれでテレ東らしくもあります。まあ新しいアイディアって、古いものを知らないとわからないこともあるし、想像力なんていうけど、ほとんどは何かのバリエーションにすぎません。だからマスプロダクション、量産型らしいやり方がダメなわけじゃない。そういう点は前作の精神を受け継いでいますね。