桜の塔

これまでの上條の行動や最終的に何をしたかったのか、からくりがすべてわかってスッキリ、面白かった。上條が優愛と結婚した意味、優愛は利用されていると知ってても、本当に上條のことを愛していたんだと思うと、ちょっとかわいそう。最後まで上條のために行動し、千堂とは真逆で絶対に彼を裏切らず、最後は父親より上條を選んだのはよかった。水樹が上條を撃った時は驚いた。助かる前提で撃ったんだろうけど、あぶなすぎるわ。水樹の前では泣ける上條、二人の関係がいい。
権藤はこのドラマで終始いいポジションにいて、最後には警視総監にまでなっちゃうなんて、結局一番おいしい役だった!

上條と千堂の直接対決はかなり緊迫感がありました。
最終回でいちばんびっくりしたのは上條が優愛をマインドコントロールして殺人まで犯してしまうとは…。彼女がどんどん依存していくのは感じてましたが、そこまでとは思いませんでした。
爽との対決はドキドキしましたが、実際はあんな距離で撃ったら死んでしまうかと…。生きて償えというわりに彼女は本気で殺そうとしたような気がしました。
警視総監は権藤さんになったんですね！なんだか吉田鋼太郎さんの雰囲気はお似合いです。いろいろあったのに上條がまだ警察にいるのがぞっとします。富樫くん結婚したのかー！とちょっと嬉しかったです。

漣の復讐にまつわる最大の犠牲者は、優愛だったのかな。結婚前はあんなに強気だったのに、いつの間にか漣の顔色ばかりうかがって依存するようになったのは、漣がマインドコントロールしてたからとは驚き。自分の復讐のために、曲りなりにも妻にした女性をコマの一つとして操るとは、漣は千堂よりも極悪非道かも。それに漣も千堂も、自分たちは実際には手を下してないから逮捕されるわけでもなく、おとがめもなしなの？
なんだかモヤっとしてしまって全然爽快感のないストーリー展開だったけど、千堂についてはあれほどの悪人なのに、どういうわけだか憎み切れないチャーミングなキャラで、この人の今後をもっと見てみたい気がする。

刈屋さんがあっという間に殺されてしまいましたね。上條さんといろいろあったので最期はあっけない気がしました。
優愛さんの思い詰めたように離婚届を出すところが悲しかったです。悪女っぽい性格かと思いきやちゃんと上條さんのことが好きで真面目な性格なんだなと思います。だからこそ利用した父親や上條さんのことは許せない気持ちになりました。せっかく頑張っている蒲生さんが疑われてしまいとてもかわいそうでした。でも落ち込んだ時に行く場所が廃墟というのが普通の人ではない感覚でちょっと突っ込みたくなりました。明らかに事件性が感じられてしまいます。そして悲しいラストになってしまい、本当にいろんな人を巻き込んでしまっているなと思いました。

銀次郎にナイフで刺されても、大した傷にもならずすぐに復活する千堂って最強。とことん悪い奴って、やっぱり運まで強いってこと？　そして襲われても自分を省みることもなく一層の悪事を企むなんて、千堂はもう何かに憑りつかれてるとしか思えない。それに千堂ほどではないにしても、右見ても左見ても権力欲に囚われた悪人ばっかりの警察組織にウンザリする。いくら復讐するためとはいえ、そんな世界に自らどっぷりつかってる漣は、自分の人生が嫌にならないのかな。銀次郎は、漣の父親の死に良心の呵責を感じながらも、お金に目がくらんだら何でもやっちゃう性格は結局死ぬまで治らなかったみたいね。

警視総監をめぐるバトルがとてもドキドキしました。男たちのそれぞれの思惑がある中での駆け引きを感じました。出世だけが生きがいという時代でもないのに、そのためにいろんなものを失っている気がしますね。富樫くんと上條さんの微妙な関係が気になりました。やはり爽さんのことも関係していそうですね。千堂さんに詰めが甘い、と言われてる上條さんはなんだかいつものパターンだなと思いました。玉木宏さんはかっこいいのに、ちょっとださいところがあるのがこのドラマのツボかなと思いました。

千堂の悪辣ぶりや悪運の強さには、見ていてイライラする。何人も殺したり、大臣を撃ってまでも出世したいなんて、警視総監のポジションってよっぽどオイシイことだらけなのね。それにしても犯人の目の前で、「ここに証拠の原本があります」と証拠を見せびらかすとは、富樫ってマヌケすぎ。今度こそ上條の役に立つかと思いきや、一度ならず二度までも足をひっぱって、この二人はよほど相性が良くないみたい。そろそろ千堂が追い詰められて悔しがる姿を見られると思ってたのに、ストレス溜まるわぁ。

5年後という設定でしたが、あんまりおじさんたちは変わっていなかったのに富樫くんの色気が増大していてびっくりしました。そしてさりげなく爽さんと付き合ってるらしいところも驚きました。千堂さんも副総監になり、権力を持っていくところは恐ろしいなと思いました。巻き込まれてる優愛さんもかわいそうです。もはや市民を守る警察の影もないですね。上條さんが新しい派閥を作るところも斬新でした。若手で頑張ってほしいです。これ以上ややこしくなったら大変そうではありますが…。

上條の父親を殺したのは自分だという告白を千堂にさせておきながら、それを録音してることを簡単に見破られるとは、漣は甘すぎ。そもそもが海千山千の男を相手にしてるんだから、会話を録音するならレコーダー一つだけじゃなく、あちこちに幾つも仕込んでおくべきでしょ。クラブSのママは、漣を心配したり手助けしたりと完全に味方のような顔をしておいて、実は裏で彼の情報を千堂に全部流してたとは、どんな事情があったとしても限りなく卑怯。わかりやすく悪人の千堂よりも、菩薩のような顔をして、自分を信頼している人間を平然と裏切ってるこのママが、実は一番の極悪人、人でなしという感じ。

お父さんを自殺に追い込んだのが千堂部長だと発覚し、驚きました。そして千堂部長をはめようとしたのに、彼の方が何枚も上手でさすがに上條さんがかわいそうでした。でもさすがにそこまでの人だったんだなという気もします。しかもママまで裏切るとは…。絶望の中、本当に頼りたいのは爽さんだと思うのに、憎き相手の千堂さんの娘の優愛さんとやはり結婚してしまうんですね。かなりつらい決断だと思います。バージンロードをなぜお父さんと歩かずに新郎新婦で来てしまったのか気になってしまいました。

味方だと思っていた刈谷さんの裏切りが結構衝撃的でした。お父さんが亡くなった事件のことが理由だとしても本当なのかどうか気になるところです。お父さんの事件が今回のドラマのキモになるので、過去の真相はドキドキしました。当時の防犯カメラに確かに誰か写っているようですが、当時は揉み消されてしまったんですかね。千堂の娘さんは上條さんに振り回されてるようでかなりかわいそうでした。吉田綱太郎さんの熱い演技が素晴らしかったですが、相変わらず警察組織の腐敗がひどいです。。

23年前の上條の父の自殺が、交番であんなやり方での他殺だったとは。でも、あのビデオを見たら漣が復讐に乗り出すに決まっているので、それさえ誰かに利用されているのでは？自殺を強要したライターの持ち主は本当に千堂なのか。23年前に幼い漣を介抱してあげた警察官が、今や情報屋の刈谷さんとクラブのママの志歩だったのが、漣は警察官になるべくして育てられたのかな、と何とも言えない気分になる。正義って何だろう、と。

トップへのし上がろうと企む上條の思惑と、それを利用して陥れようとする上層部の足の引っ張り合い。上條は知的に手を回して情報をつかんでいたことで、吉永の策略には引っかからなかったけど、それでも最後の詰めで千堂に抑えられてしまった。しかもそれをネタにポイントを稼ぐ千堂。この人は上條にとって、最終的に敵になるか味方になるかわからないな。上條は娘の優愛と本当に結婚するのかな。それも後に上條にとって何かの切り札になったりするんだろうか。

警察内部のダークなところがどんどん明るみに出ておいおい、という感じです。本来なら正義感に溢れる人たちのはずですが、どうも自分のことしか考えていない人ばかりで残念です。えらい人たちもゴルフばっかりだし。。馳くんの決死の自殺未遂は悲しかったですが、薬で死ぬのは確実ではないのでなんだかんだでどのか逃げているような気がしました。千堂さんの娘さんが爽さんとの関係を疑っているところが女だなと思いました。ふたりの関係と爽さんとの関係も気になりますね。

馴れ合いに興味のなさそうな上條が、なぜ佐久間の尻拭いをしたり飲みに付き合ったりしているのか意外に思っていました。一応上司でさらに千堂刑事部長の娘の婚約者である佐久間を蹴落とす為だった訳で、ヒドイなと思いつつ、すごく納得しました。
銀行強盗事件が起きてから解決までトントン拍子にいったので呆気ないと思ったのですが、まさか強盗まで全て上條がお膳立てしているとは予想外でした。証拠の捏造までは蒲生が犯人であることは間違いないからまだ許容出来ましたが、借金抱えている人を儲け話をチラつかせて犯罪に駆り立てるやり方は酷いと思いました。
撃たれて右半身麻痺になってしまった川岸さんが気の毒過ぎる。夫が定年退職し夫婦で初めて海外旅行するはずだったという話で切なくなりました。どうにか車イスで行けないものかと思いましたがサポートする側の負担も大きいし、難しいだろうなぁ･･･。
上條の自殺した父親が生前「本当に正しい事をしたかったら権力がなくちゃダメなんだ」と言っていた事が、警察の頂点に立つという野心の根底にあるのだとしても、「そこまでやるか」と思います。
「俺は親父のようにはならない」と言いながら警察官になりプロファイリングまで習得し、罪のない人を犠牲にしても権力を欲するのは、「本当に正しい事」をしたかったのに権力に敵わなかった父親の敵を打ちたいからのように思えます。
勤務中にも関わらずスキットルをしょっちゅう呷るのは、罪悪感と迷いを紛らわす精神安定剤のような感じなのかも。そんなお酒はおいしくないでしょうね。

上條さんのダークっぷりがどんどん出て来てゾクゾクしました。まさかまたしても事件を広げて手柄をあげるための手段にしていたとは…。利用されるだけされたミスター予言者さんがかわいそうでした。しかも殺人未遂まで…というラストが怖かったです。爽さんと上條さんは昔から仲良くてふたりはお似合いだと思ったのに、部長の娘さんとお付き合いするとは、それも出世のためなんでしょうね。爽さんと上條さんと向かい合うところは緊張感高まりましたが、やはり友情を思い出してしまうと撃つことはできないですよね。切なかったです。

玉木宏がまた硬派のキャラで帰ってきました。今回の舞台は警察。しかも出世戦争が扱われるとあって、あまり内部が見えない世界だけにどんな内情が暴かれるかとワクワクします。外様派、東大派、薩摩派の三派閥とそのトップを椎名桔平、光石研、吉田鋼太郎と癖の強さでは負けない三人が務めるのも期待大。どんなえげつない展開となるのか怖いながら楽しみです。玉木宏の幼馴染で警部補役に広末涼子が扮していますが、年の割に幼く見えるのがちょっと物足りないところ。仲里依紗、橋本じゅん、岡田健史などキャストも豪華で毎週待ち遠しいドラマとなりそうです。

脚本が武藤将吾ということをテレビ局側も前面に押し出していますが、予想通りというか予想以上に内容が破綻しすぎていました。警察の、しかもキャリアの中のことはよくわかりませんが、さすがにありえないことばかりですぐに興醒めしてしまいました。ただ、このドラマも魅力は豪華過ぎるキャストです。とりあえず、広末涼子がドラマ中に死亡することなく最後まで出続けるのであれば最終話まで見ます。また、主演の玉木宏さんもクールでダーティーな役を見事に演じていて、内容的には苦笑ものですが、それを感じさせない迫真の演技で何とか観られるドラマになっています。さらに、トップを狙う、吉田鋼太郎さん、椎名桔平さん、光石研さんのお三方もそれぞれのポジションに合ったキャラを演じていて今後の足の引っ張り合いが楽しみです。

警察署内の派閥争いがメインだけど、上條の父親の自殺の謎や、幼馴じみの爽の存在感、犯罪の真相などしっかり練られた感じで良かった。脇を固めるバイプレーヤーも豪華だし、爽の後輩の富樫も注目ですね。冒頭で銀行強盗が起こってもひたすら麻雀をやってた上條の行動が、実はたださぼってたわけじゃないことが、ドラマの後半に徐々にわかってくるストーリーが面白かった。上に立ってる人達は、次々に上條に蹴落とされていくんだろうなと思うと楽しみと共に怖いドラマ。

警察の内部の出世争いということでダークな内容だったので、人間ドラマとして見ごたえはありそうですが、見ていてあまり明るい気持ちにはならないなと思いました。玉木宏さんはとてもかっこよかったです。玉木宏さんと広末涼子さんの幼なじみコンビのやりとりが少しほっこりさせられました。おじさんたちが多いなか、広末涼子さんの美しさが際立ちますね。上條さんのプロファイリングの話はなるほどなと思いました。なぜ彼が出世にこだわるのか、お父さんの過去の事件も気になります。