青のSP―学校内警察・嶋田隆平―

一見誠実そうに見えて、実は裏の顔を持つというキャラを演じるのがとても上手ですね。完璧な雰囲気はないので、どっか抜けている男が適役な人だとは思っていましたが、強くはない悪だくみキャラはピッタリという印象です。自らの画策がブーメランとなって銃で襲われるという設定は、まさにそれでしょう。頼りなさの演技は名人に見えます。

役の上とはいえあれだけの勢いで飛びかかってくる藤原竜也さんを目の前にしたら逃げたくなるだろう。あのアクションは凄かった。やられる方は怖いだろうな。少しでもタイミングが狂えば大怪我だよね。ほんとに頑張ったと思う。

「どうしようもないやん」と自分よがりの理由を言って開き直る役、高橋克実さんってうまいなあって思います。木島校長には木島校長なりの正義があって、それは他者を傷つけることで成り立っているので到底理解できることではないのだけれど、自分の正義に従っただけで悪くないという態度が余計に悲しくなりました。

高橋克実さんでは悪人という感じがしないので、キャスティングが悪いように感じました。いい人感が出てしまっているというか、悪い人ではなさそうという印象を受けるので、本当はいい人という内容になっていくのなら、成功かもしれません。

いつもの高橋克美さんらしく、調子が良くて無責任で上の人に取り入る演技がたまらずに上手いです。校長として、いかにも自分の手柄のようにマスコミに言ったかと思うと、まずくなると、一転、責任逃れの態度をとるのですが、どこか憎めなくて、ホッとします。ハマり役だと思います。

高橋克実さんは嫌いではないですがシリアスな学校シーンの多い校長役にはちょっとそぐわない気がします。なんだかコントしてるみたいに見えてしまいます。せめて校長ではなく教頭とかであればありだったかもしれませんが…。