シッコウ!!～犬と私と執行官～

作業をしながら自分の腕前を吉野にドヤ顔で自慢したり、「さすが！」と吉野に褒められてめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔を浮かべたり、ベテランなのに褒められるの大好きで毎回新鮮に喜ぶところが何だか可愛らしくて、仕事中の頼もしい職人っぷりとのギャップが良い味出してました。鍵を開ける時しか出番はないけど、毎回決め台詞とともに印象に残って、存在感をしっかり示していたのもさすがだなと思いました。

鍵開けのプロって悪心を持っていたらヤバいわけで、基本的に善人とは言えなくとも、プロとして誇りを持っているのだろうと思います。そして職人だけになんとなく癖がありそうでもあります。六角さんはそのあたりをよく理解しているのか、職人としてのマニアックさやこだわりを見せることで、本当にちょい役なのに強烈な個性と存在感を見せてくれています。まあ現実にこういう人がいるとは思わないけど、芝居はそう見えることが重要。その意味で完璧なキャラ作りだと思います。

待ち伏せしてガン飛ばしてくる土山を「こんな骨のあるマチ金、初めて見たぜ」って面白がってたり、小原が絡まれても我関せずって感じだったり、どんな状況でもマイペースで動じない肝の据わりっぷりが砥沢らしく、色んな修羅場を見てきたベテランって感じが出ていて良かったです。

緊急時で周りが慌ててる時でも「アンロック完了」という決め台詞は絶対に外さないところが砥沢らしかったです。どんな状況でも自分のペースを崩さない完璧な仕事ぶりや「別嬪さんなんだって？」と小原を楽し気に揶揄う姿がベテランの余裕を感じさせて、小原の新人っぷりが際立つところも良かったと思います。

いかにも六角さん向けの役だなー。他の人がやるのが想像できない。

「今日こそアンロックしてやる」とか「ラジャー」とか現実で職場の人に言われたら「は？」ってなりそうなセリフも、六角さんが言うと全然違和感ないのがすごい。口調とか独特でクセ強めの芝居だけど、やり過ぎて悪目立ちすることがない弁えたところも好感が持てます。どうしても解錠出来ず、思わず「クソッタレ」と言ってしまうシーンも、素人の小細工に負けた悔しさと鍵屋のプライドが感じられて良かったと思います。

新人の吉野にも気さくに声をかけてあげるし、意外とノリも良いし、気難しそうな見た目とギャップのある感じの良い人柄が素敵。リラックスした余裕のある雰囲気も、無事に解錠した時の決め台詞とドヤ顔も、自分の仕事への絶対的な自信を感じさせて格好良かったです。