新宿野戦病院

週刊誌記事のくだりで「頑張ってるのにね、彼女」とヨウコの努力を讃えたり、逮捕されて連行される時も、一番に駆け寄って「ヨウコ、ありがとうね！」と大きな声で叫んだり、ヨウコへの感謝やリスペクト、姉妹愛が随所に感じられたのが良かったです。啓介とヨウコのテレビ出演にソワソワしてちょっと浮足立ってる感じなのも、意外とミーハーな一面が垣間見れて良かったと思います。

ヨウコからのハグを仕方ないなーって感じの手の広げ方で迎えたのが感慨深い。過去はどうあれ2人の関係が少しずつよくなっていくところが見えて良かった。お父さんへの心配も時に怒鳴り声になっちゃうのも家族だから。はづきさんの愛情を感じた。

補助金の申請をしっかり済ませ、大量のマスクやアルコールを手土産にまごころに帰って来る姿が頼もしくて格好良かったです。ヨウコのハグを笑みを浮かべて受け入れたり、2人で啓三の感染を疑ってコソコソ話す姿など、姉妹の距離が縮まっているところも微笑ましくて良かったです。

写真だけだったけど、幸せそうなツーショットが見られて良かったです。穏やかな良い笑顔を浮かべていて、色んな重圧や責任から解放されて、好きな人と充実した日々を過ごしてるんだろうなって伝わってきました。テレビの取材が来るからか、ネックレスまでしてバッチリお洒落して普段よりおしとやかに座っている姿も乙女で可愛らしかったです。

ヨウコたちと女性用風俗店のホームページを見てワイワイ盛り上がる姿が新鮮で良かったです。めちゃくちゃテンション上がって騒いでるのに「どうせチビデブが来る」ってコメントは辛辣なところも、現実的なはずきらしくて良かった。修羅場に備えてしのぶの母を院長室に一時避難させる抜かりの無さも頼もしくて格好良かったです。

ヨウコに「姉さん」と呼ばれて「あなたの姉さんじゃない」と一蹴しつつも、ちゃんとおかわりを持ってきてあげるところや、ヨウコへの言葉や態度に以前のような刺々しさがなくなってきたのが、はずきの心境の変化を感じさせて良かったです。普段の表情も柔らかくなった気がする。田辺の死を受け、舞に見回り医療サービスを提案しに行くシーンも、何とか地域のためにまごころが役に立てないか、経営を安定させられないかという高峰家の長女として、ソーシャルワーカーとしての責任感や信念が感じられて良かったと思います。

ヨウコと二人きりで話をしようとしたり、「そこまで嫌いじゃない」と口にしたり、単に嫉妬して目の仇にしてるわけじゃないという複雑な心境が、時折弱々しく口ごもる様子や、泳ぐ視線、ハグを素直に受け入れる姿から伝わってきたのが良かったです。母親を訪ねるシーンでも柔らかな笑みを浮かべて良い顔をしていたし、何か吹っ切れたような、少し前を向けるようになってきた気配が感じられたのも良かったです。

先週から辛く重たいシーンが多いはずきさんだったので、ヤケ酒ではあるけどホストクラブでハチャメチャに騒いで憂さ晴らしをする姿が見られて少しホッとしました。シンゴがまごころにやって来た時、周りがオロオロする中「警察呼びますよ！」と毅然と対応する姿が格好良くて、色んなタイプの人間と関わるであろうソーシャルワーカーとしての経験の豊富さと頼もしさが感じられたのも良かったと思います。

女だからと出生を喜ばれず、医者にもなれず、自分が必死に守ってきたまごころでは不倫で生まれた異母姉妹のヨウコが医者として活躍していて、自分の存在意義を完全に見失って悔しさと苛立ちを爆発させる姿がとても印象的でした。見ていて辛くて苦しかったけど、はずきの複雑な心境が痛いほど伝わってくる演技が凄まじくて、見入ってしまいました。

厳格に育てられた品の良さと潔癖さを醸し出しつつもうまくいかない人生に苛立っているような険しさがある。そして垣間見えるプライドの高さ。だけど女としてのモテたいとか綺麗になりたいという願望が見えるところが人間らしくて笑いになる。一生懸命演じることで逆に面白くなっていて、そこに絡まっている感じもうまいなーと思います。

婚活バーベキューに備えて、ちゃっかり享のクリニックの行列に並んでいたり、1000万円の美容医療器材に興味深々だったり、啓三と敵対しつつも美容クリニックについつい心惹かれてしまう姿が、普段の頑なな姿とギャップがあって良かったです。身内だし、ほうれい線の治療をするなら絶対に顔を晒すし、すぐに顔バレするって分かっているだろうに、それでも一応変装して顔を隠している天然なところも可愛らしかったです。

田島が雑誌に掲載されればビジュアル頼みで田島メインに、美容クリニックが上手くいきそうだと悟ると享と田島の２人をバーンとセンターに据えるなど、何かあるとすぐに病院のHPをリニューアルするやり手なところが、どんな手を使ってでも病院を残すんだというはずきの執念を感じさせて良かったです。HPをリニューアルするたびに写真の扱いがぞんざいになったり、「おっさん」と口にする時にチラっと顔も見たり、いちいち横山にだけ当たりが強めなところも面白かったです。

享や啓三への少し棘のある物言いや、たびたび飛び出す自虐的な態度や発言が、病院を絶対に存続させるという強い意志と、医師免許が取れず医師とも結婚出来ない自身へのコンプレックスを感じさせました。マイナス思考な台詞が多かったけど、平岩さんの淡々とした独特な口調のおかげで陰湿さがあまり感じらず、聞いていて嫌な気持ちにならないところも良かったです。