ザ・ロイヤルファミリー

最終回、めちゃくちゃ格好良かったです。これまでどんな時も昂る思いを抑えてポーカーフェイスでレースを見守っている人だったから、「ホープ！」って必死な顔で叫ぶ姿がとても印象深く、耕造との約束を必ず果たすのだという椎名の並大抵ではない思いの強さ、深さが伝わってきて胸にくるものがありました。

結局、耕造とはやり方は違うけど、競馬をこよなく愛しているのは同じだし、自分の子どもを含めて、
競馬の表層的な部分しかわかっていない若造に、一発かましてやるところがいい。耕造のように熱くは見えないけど、心の中は変わらぬくらい熱いんだろう。

沢村さんは普段の冷静さと、レースになった時の押さえつけながらもあふれ出る熱量を、ちゃんと感じさせる好演でした。

山王に挑発されて早口になったり負けた時の歓声を思い出して悔しさで声が震えたり、落ち着いた声のトーンと笑みはいつも通りだけど、珍しく心の動きが声に滲み出ていて、初めて人間らしい姿が見られた気がしました。が、それすら山王の思惑を見越して挑発に乗ってあげたような余裕があるようにも見えて、山王が狸呼ばわりする説得力が感じられたのも良かったです。

いつも落ち着いていてレース中も表情ひとつ変えず、栗須にもわざわざ時間を取って佐木の過去について教えてあげたり、出先で会えばきちんと挨拶もするし、ライバルではあるけど公正で決して敵視してるわけではない、自分は自分というスタンスが格好良いです。山王がワンマンで感情丸出しだから余計に椎名の紳士で大人な対応が光り、双方の相容れない関係を際立たせているところも良いと思います。