ザ・トラベルナース （2024）

苛立つ大貫にナースと連携を取るよう進言したり、歩の指示前に透析が必要な患者の転院手配を済ませていたり、非常時でも落ち着いて冷静に対応する姿がとても頼もしくて、小山の成長ぶりが感じられました。歩に「頼みましたよ」と言われた時のキリっと引き締まった表情も、医師としての自覚と覚悟が伝わってきて格好良かったです。

六平への歯切れの悪い「ベストをつくします」や微妙な間、引き攣ったような笑顔が小山の自信の無さを感じさせました。以前より自信がついてきても、決して自分を盛ったり過信したりしない慎重で控えめな姿も小山らしくて良かったです。

相変わらずの大貫を「ハラスメント研修の成果はゼロですよ」とため息交じりに皮肉る姿が良かったです。そういう愚痴をサラっと口に出来るナースたちとの信頼関係や、自信をつけて精神的にも逞しくなった様子が窺えました。「誰か一人でも見送ってあげて欲しい」と余命僅かな五味を気遣う姿も、小山の優しい人柄が感じられて良かったです。

抗がん剤治療を拒否する四織に困惑しつつ、「もう１度話し合いましょう」と彼女の気持ちを汲んで寄り添う姿が小山の優しい性格と医師としての成長を感じさせました。四織の説得に割って入ってきた歩に不快感を示すことなくすんなり受け入れる姿も、歩への信頼や、「ナースのくせに」と見下すことのない小山の誠実さ、公平さを感じさせて良かったです。

大貫と三原の症状について話し合ったり、退院は延期にした方が良いと自分で判断する姿が小山の成長を感じさせました。穏やかで優しい語り口はこれまでと同じだけど、口調に迷いや遠慮がなくなっていて、医師としての責任感と自信が芽生えたんだなって伝わってきたのも良かったと思います。

声が小さくてオドオドしていて自信なさげだけど、「こうした方が良い」と治療法について自分の考えをしっかり持っていたり、仕事をさせて貰えないことに少し不服そうな表情を見せたり、台詞にはなくても医師としての志ややる気はちゃんと持っている人なんだなって伝わってきたのが良かったです。その細やかな演技が、緊急患者が搬送されてきた時に見事な対応を見せるその後の展開にちゃんと繋がっていて、「急にどうした？」っていう違和感や唐突さを感じさせなかったのも良かったです。

皆が堂々と病院内を闊歩する中、一人どこか申し訳なさそうにヘコヘコ頭を下げて猫背気味に歩く姿が、小山の自信の無さや気弱そうな性格を感じさせました。台詞は全くなかったし、歩くシーンもほんの数秒しか映らなかったけど、それでも小山のキャラクターがちゃんと伝わってきたのが良かったと思います。