時をかけるな、恋人たち

隊長に亡くなった奥さんが好きだったアイスを渡してあげたり、半分こしたアイスを一緒に食べる時の嬉しそうな笑顔など、隊長への想いが見え隠れする姿が可愛らしく、切なかったです。いつもクールな表情なのに、隊長の前だと子供みたいに無邪気で可愛らしい笑顔を見せるのも良かった。修羅場の中、翔の合図に気が付いたり、謎過ぎるメッセージもすぐ読み解いて八丁堀に機械の細工を頼んだり、頭の回転の速さと賢さも頼もしかったです。

いろんな意味で派手めなキャラが多いドラマだけど、このりおんは地味に見える。でも自己主張はしっかりあって、廻たちに強力したのは勢いに流されたというよりは、情にほだされたという方が正解に見えます。つまりそうは見えないけど、メンバーの中で実はもっとも現代人っぽくて人間的だといえます。伊藤さんは童顔なのもあり、りおんの未熟だけど、だからこそピュアさを感じさせます。芝居としてはまだ固さみたいなものがありますが、それがこの役ではいい方に出ていると思います。

翔と廻が別れずに済む方法を興奮気味に説明する姿が、生真面目な子がキャパオーバーになってテンションやばくなってる感じがして面白かったです。瞬きしてなかったり、目がちょっと逝っちゃってたり、何かに取り憑かれったような早口だったり、その様子のおかしさも、やり過ぎず絶妙な塩梅で良かったと思います。

廻たちを追いかけて過去に来てからずっとテンパっているのが面白かったです。りおんちゃんがずっとそんな状態でいてくれるからバカンスを楽しむような廻と翔が異常事態を作っているのだと判断できます。チャラいお父さんと全然噛み合わないところがまた面白かったです。

廻たちの駆け落ち問題と廻の父親のナンパでキャパオーバーになっている姿が面白かったです。普段クールで仕事が出来る人だから、パニックになって頭を抱えたり大声で喚いたりジト目になったり、感情丸出しになっている姿が新鮮で、人間味があってとても可愛らしかったです。

廻たちに「歴史は決まっています、覆すことは出来ない」と珍しく声を荒げて感情的になる姿が印象的でした。いつもクールに淡々と任務をこなしているけど、矢野の切ない事情に触れ、どうすることも出来ないもどかしさに苛立ってモヤモヤしている気持ちが伝わってきて、天野の人間らしい一面が垣間見れたのが良かったと思います。