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後半の燻って鬱々とした状態から大畑の言葉で再び記者魂に火が付くまでの表情の変化がとても自然で、ワイルドな役柄から想像つかないくらい繊細な表現力を持った俳優さんだなと改めて実感しました。食堂で目を合わせずに大畑にお礼を言うシーンは、酒井の意外な素直さとぶっきらぼうさが入り混じっていて微笑ましかったです。

記者をしていた頃の目の輝きやギラつきが一切消えていて、酒井の失望の大きさを感じさせました。でも久しぶりに会った柴田に5年前の話をされるとサッと表情が変わって、記事に出来なかった後悔やいまだに記者に未練があることも感じられ、詳しい描写はなくても、この5年間に酒井がどれだけ悩み葛藤して生きてきたのかがしっかり伝わってきたのも良かったと思います。

野性味を感じるルックスと「絶対スクープを取ってやる」というギラギラした雰囲気が良い意味で品がなくて、きちっとスーツを着て新聞記者を続ける松岡と対比になっているところが良かったです。取材中、メモを取りながらも絶対に取材相手から目線を外さずじっと見つめる姿も、どんな表情の変化も見逃さないぞという酒井の執念深さを感じさせました。嘘や隠し事は全部見透かされそうな強い目力が印象的でした。