海のはじまり

自分が娘を失うなんて耐えられないと言いつつ、自分の母にその辛さを分かりながらごめんねと言うシーン。謝りの言葉なのにとても強い表情で母に覚悟を促すような態度なのがよかった。しっかりしてねと言う感じ。母娘にしかできない会話だよね。

本当にこの人の良さがわからない。綺麗では全くないし（芸能人だからって綺麗でなくてはいけないわけではないので、別にいいのですが）、演技力もない、と言うか何も伝わってこないし、感じない。大竹しのぶさんや池松壮亮さん（好きではないが演技力は確か）との場面なんかではそれがもろに現れて見ていて辛い。他にも多数主役級で映画やドラマに出演しているけど、とにかく理由がわからない。人気があるからですか？

なんか思わせぶりで嫌な女にも見えちゃうところも古川さんが演じるとそうは見えないところが不思議。相手を振り回しているんだけど、その自覚はなく自分も回っちゃってるイメージ。そんな自分を制御したくて頑張っているから応援したくなるんだと思う。

病室で津野くんに今までも助けてもらったけどこれからも助けてくださいというシーンで図々しいとも取れるセリフだけど、水季の力強い決意みたいなのが表情から読み取れて責める気はなくなった。どうしても海を守りたいという強い意志を感じた。

夏と付き合っていた大学生の頃と、海と2人暮らししている頃のみずきとは違っていてちゃんと演じ分けられてると思う。海ちゃんとの親子もしっくりきていてちゃんと母親に見える。大好きだけど過保護になりすぎず海のことを考えている描写があっていい。

夏くんと大学の講義中に鳩サブレを食べるシーンがとてもかわいくてよかった。ヒソヒソと喋るところは画面に見入ってしまったし、サブレを食べる時に音が出ないように気を使っているのもよかった。ヒソヒソのほうが日常に近くて親近感が湧いた。

人よりちょっとテンポが遅めの夏くんとなんでもポンポン決めていくみずき。その後の展開もあのみずきなら分からなくもない。妊娠したことを伝えた後、さめざめと泣く夏くんの気分を変えるためにクリスマスの予定を聞く泣き笑いの顔が印象的だった。