罠の戦争

いろんなキャラクターがいい人の顔になったり悪い顔になったりする中で唯一ブレないのが虻川さん。すごく嫌なやつだけどずっと同じキャラでいることで周りの変わりようがよくわかります。歩き方からネチネチしてるのがすごいですね。

特捜9でいつも青柳さんをなだめる優しい矢沢さんが、ここまでのクソ男として登場するとは！でも全く違うキャラなのに、全然違和感がない所が、さすがの演技力のテクニックだと思います。

役者さんだって良い役でも悪い役でも、できるなら格好いい役をやりたいと思うでしょう。この虻川のような上に媚びへつらい、下には執拗に当る、最低な小者はやりたくない。でも田口さんは、そういう役であっても、しっかり最低で嫌な奴として演じています。脇役だし、嫌な奴だし、もっと雑に演じてしまいがちだと思うのですが、表情も動きもちゃんと丁寧に表現しているから、リアリティがあって、見た人全員がこの虻川を嫌うだろうというのがわかります。だからこそ復讐劇のカタルシスは生まれるだろうと思います。

ありとあらゆるパワハラ親父のタイプをギュッと凝縮したような濃いキャラクターでしたね。強いものには尻尾を振り、弱いものには当たり散らす典型的な男。蛍原の体を揺さぶっていたのは本当に怖かった。圧が強すぎる。