行列の女神 らーめん才遊記

そつなく終わったけれど、鈴木京香さんの魅力を出す必要はなかったのかな。脚本に設定すること自体がありえないドラマだったのかもしれないけれど、女性の色香の部分がなかったのが残念。無敵のラーメン界のカリスマとして、問題もなかったけれど、あっさりしすぎかと。年齢は若くありませんが、美人女優の一人であることは間違いなく、その部分を期待する男性視聴者は少なくなかったのでは。もっとも、女の部分を見せるなら、その相手となる男性俳優が必要であり、このドラマのキャストにはいなかったから仕方がないけど。ラーメン店経営のコンサルタント会社の社長役としては、部下にきちんと正解を示して納得させる上司だったので、見ていて気持ちが良かった。引っ張っていくタイプだったけど、パワハラ上司とは無縁。部下も社長の技量に近づきたいと努力する職場は、本当に羨ましい。

芹沢は鈴木京香の魅力がふんだんに発揮される役柄だと思います。サバサバとしたやり手の経営者だけど情熱を秘めている感じが良いです。芹沢が試作のラーメンを食べるシーンが毎回色っぽいなと思います。芹沢の判断が楽しみなシーンです。

原作ではただのいけすかないオッサンだったキャラクターをここまで温かみがあるやり手社長として作り上げるその演技力に、観ていて思わず口が開きました。飲食業に真摯に向き合うと言う意味ではグランメゾン東京と通じるものもあるはずなのに、まったくの別人になっているのも流石です。

鈴木京香さんは、料理人の役が続いたので、その違いを演じるのは難しかったと思いますが、料理人兼コンサルタント会社の社長の力強い役を、しっかり演じています。特に芹沢は、若手を指導するのが上手なことに感心します。叱ることも多いですが、自分で気づくことを大切に考えています。コンペ形式で競うことで、お客や店主の考えを重視しながら、売れるラーメン屋を作るのです。最後には、実はもっと儲けたかった等、ゆとりを驚かせ、とても楽しそうな様子が良いです。鈴木京香さんのゆったりとした笑顔と、いたずらを成功させたような満足な表情が、芹沢そのもので、すてきです。

原作の漫画では男性だったキャラが、今回のドラマ化で女性と変更になったのでどうなることか心配しておりました。しかしドラマを見てびっくり。鈴木京香さんぴったり！はまり役です。
ラーメンに対する熱い想いと、人にたいして冷静沈着にあしらいつつも心の中では優しさや思いやりに溢れている、難しいキャラを鈴木京香さんは違和感なく演じられています。

最高です！深夜のドラマなので少しB級感がありますし、もう一人のメインの女優の演技が本当にイライラしてしまうのですが、鈴木京香の存在感と演技力ですべてを支えています。まさかのラーメンを作る役なのに、美しすぎます！

コンサルタントだけでなく、ラーメン屋さんの厨房にも立つところが意外です。ラーメン屋さんの格好がしっくりこないですね。グランメゾン東京の時のシェフ役もあんまり、でしたが。。コンサルタントの社長としてスーツ着てる姿はかっこいいです。すべてにおいて先を読んでるところはすごいです。人間らしく感情で動くところも好感が持てる気がします。

鈴木京香さんは料理ドラマと親和性がある気がします。王様のレストラン、熱烈的中華飯店、グランメゾン東京いずれもよかったですが、このドラマでの演技もよかった。表向きの言動には利益しか見ていないように振る舞っておいてその実ちゃんと目をかけているというような隠された優しさを持っているというような印象づけに成功しています。このギャップはその自分を魅力的にしますし、ベテラン女優の鈴木さんだけあってちゃんとものにしていました。