クイーン・メアリー2

最終回、めちゃくちゃカッコ良かったです。以前メアリーたちに「ナルシスがこちらの味方につく時は絶対に裏がある」と言われていましたが、真っ直ぐにフランソワを見つめて「彼女を大切に想っています」と訴える表情から、他意はなく本当にローラを救いたいだけだというナルシスの思いが伝わってきました。ローラを見つけた時のホッとした表情も彼女への深い愛が感じられて素敵でした。

21話のローラとのやりとりが良かったです。もう生きて会えないかもしれないという覚悟と彼女を守りたいのにそれが出来ないもどかしさ、傷つけてしまった後悔など、ローラへの様々な思いが切ない表情から伝わってきました。またカトリーヌに死んだと思っていた愛馬を贈られた時の嬉しそうな笑顔が少年みたいに可愛く、普段の悪党ぶりとのギャップが魅力的でナルシスのモテっぷりに説得力が感じられたのも良かったです。

２０話で心にもないことを言ってローラを傷つけるシーンが良かったです。ローラが立ち去ったあとの傷ついたような表情が印象的で、後悔と彼女への深い愛が感じられて見ていて切ない気持ちになりました。ナルシスのあんな表情を見たのは初めてで、それだけローラが大切な存在だということが伝わる、良い演技だったと思います。

19話のローラとのやりとりがとても良かったです。彼女に話しかける時の表情がカトリーヌに向けるものとは全然違い、愛おしさと温かさが感じられました。忠告も本心から心配しているような表情でしたし、別れ際にそっとローラの頬に手をやる仕草にもナルシスの彼女への想いが込められているように感じました。

敵か味方かいまいち判断しかねる微妙な表情の作り方が上手いです。どちらとも取れそうな顔をするので、フランソワやカトリーヌだけでなく視聴者の私たちもナルシスに振り回されていて今後の展開の予測がつきません。カトリーヌに「必要悪」と言われていましたが本当にその通りで、ナルシスがいることで色んな方向にストーリーが展開して複雑化し、よりドラマが面白くなっていると思います。

１７話でメアリーの刻印入りの手紙を手に入れた時のニヤリとした不敵な笑みがとても良かったです。あの表情だけでナルシスが何かを企んだのが伝わりましたし、「今度は何をやらかすんだろう」という今後のストーリー展開への期待も高まりました。ラブシーンが多いですが仕草一つ一つがガツガツしてなくてスマートで、下品にならないところも彼の魅力だと思います。

１５話での、薬でおかしくなったローラとの場面が良かったです。普段と違うローラに戸惑ったり、誘惑されて嬉しそうだったり、表情ひとつひとつから彼女を愛しく思う気持ちが感じられました。フラフラするローラをしっかり支えて女官に託す姿も紳士的でカッコ良かったです。

最近は忠誠心を示しつつ裏で色々と画策していて、敵意むき出しで分かりやすい攻撃を仕掛けていた最初の頃よりもさらに恐ろしさが増した気がします。余裕がありそうで自信ありげな笑みから、人の心のすき間に瞬時につけ入るナルシスの嫌らしさと小賢しさが伝わってくるのが上手いです。

前回までのフランソワに絶対服従という雰囲気がなくなって、13話では元の悪党ナルシスが顔を出し始めたのが良かったです。色気のある企み顔が復活し、やはりナルシスはこうでなくちゃと今後のストーリー展開に期待が高まります。カトリーヌへの水の飲ませ方や汗の拭き方など、仕草一つ一つがスマートで品があり紳士的なところも、悪党ぶりとのギャップがあって素敵です。

12話ではフランソワに従って忠誠を誓っている様子でしたが、「絶対また裏切るよなあ」という胡散臭さと小賢しさがニヤけた表情から伝わってくるのが良いですね。ナルシスの表情を見ているだけで「次は何をしでかすんだろう」とストーリー展開への期待が高まります。見るからに悪そう、信用出来ないという雰囲気がプンプン漂っているのが魅力だと思います。

9話で、頭がおかしくなった芝居をうつフランソワを見て呆気に取られている表情が上手かったです。これでは脅迫が成り立たない、計画が上手くいかないという焦りが見え、いつもの余裕のある表情とのギャップがあって良かったです。クロード王女に結婚を迫る場面ではいつもの色悪っぷりを発揮していてセクシーでかっこ良かったです。

8話でローラと2人きりになる時間を無理やり作ったり、馬を休ませると言って時間稼ぎをしたり、姑息な手を使ってでも彼女と一緒にいたがる姿が可愛らしかったです。いつもローラに対して余裕のある態度で接しているので、彼女に裏切られたと知った時のショックを隠しきれていないような表情が印象的でした。彼にとってローラがそれだけ大切な存在になっていたのかなと、見ていてちょっと切なくなりました。

7話では再びフランソワを脅迫し始めたり、自分の利益のためにプロテスタントを弾圧しようとしたり、絵に描いたような悪党ぶりが気持ち良かったです。フランソワを真顔で脅迫する場面は凄みが感じられて怖いです。憎たらしさだけでなく色男ぶりもハマっていて、ローラとのキスシーンは色気があり、ビンタされた後の表情にも大人の男の余裕があって素敵でした。

６話はいつもの悪党ぶりはなく、ローラとの穏やかな場面が多いのが新鮮でした。ローラに対しては振る舞いが紳士的で笑顔も優しく、エスコートもスマートで、ここだけ見ているととても素敵な貴族の紳士に見えます。入浴の件で最後はローラにしてやられますが、その時も「やられたな」という照れ笑いのような表情を浮かべていて、今まで見たことのないナルシスの姿が見られたのが良かったです。

救いようのない下衆な悪党なんですが、マント捌きや立ち居振る舞いが紳士的でかっこよく、貴族として教育されてきた品格が感じられるので、観ていて嫌な気分にならないところが魅力だと思います。何を考えているか本心が分からない怖さがあり、5話でフランソワを脅すときも「弱みを握った」とニヤっとするのではなく、真顔でじわじわと攻めていく様子が怖かったです。ナルシスが登場するだけで緊張感が生まれ、ドラマの良いスパイスになっていると思います。

いつも憎たらしくて他人を見下したような表情ですが、4話でローラに亡くなった妻たちについて話すシーンは今まで観たことがない、切なさと辛さが入り混じった表情をしていたのが印象的でした。人を騙したり嘘をつくことが多いナルシスですが、妻の話は真実なんだろうなという説得力がありました。自殺した妻を見つめる眼差しにも優しさが感じられ、本当に妻を愛していたんだなと伝わってきたのが良かったです。クレイグ・パーカーの表情の演技が素晴らしいので、ストーリーが進むごとにナルシスがただの悪役ではなく人間味のある魅力的なキャラクターに変わってきていると思います。

３話も憎たらしくて見事に嫌な奴でした。表情豊かという役柄ではないのに「絶対嘘ついてるよなあ」「何か企んでるよな」と言葉とは裏腹な内面が伝わってくるのは、目のちょっとした動きや口元の歪みなど、クレイグ・パーカーの繊細な演技力のおかげだと思います。彼の徹底した悪役演技が、聡明で誠実なメアリーやフランソワとの対比になっていてドラマがより面白くなっていると思います。

傲慢で野心家で台詞を喋っていなくても登場しただけで嫌な奴だと分かる、人を小馬鹿にしたような目が印象的です。フランソワやメアリーに対しても上から目線で、常に自分が優位に立とうとしている、相手の隙を虎視眈々と狙っている様が表情からしっかり伝わってきます。特に2話のノストラダムスの処刑の場面でコンデ公と話すときの冷酷で憎たらしい笑みが良かったです。