少年寅次郎

映画「男はつらいよ」の主人公の車寅次郎の出生の秘密から、葛飾を旅立つまでの15年間ほどを、山田洋次監督が書いた素晴らしいドラマでした。なんといっても、寅次郎役の3人の子役達がすばらしかったです。渥美清さんによく似た子を見つけたなと感心しました。演技はそこそこでしたが、かわいいし、一生懸命だし、育てのお母さんが大好きな感じがとてもよく出ていました。
最終回は、癌になった母（井上真央）を寅次郎が背負うところが感動的でした。亡くなってしまい、実の父親とは馬が合わず、家を出ますが、妹のさくらだけが駅で見送るシーンが良かったです。寅次郎の父母以外は映画に出てくる人達なので、つい比べてしまいますが、違和感がないことも良かったです。

ほんとに何もかもが愛おしくて好きなドラマでした。映画での寅さんの世界観を何一つ壊すことなくキャスト選びも完璧で素晴らしかったです。あんなステキなお母さんがいたから大人になった寅さんも美人を追いかけっぱなしなんだろうね。強くて優しいお母さんを演じた井上真央さん、どこまでも深い包容力と妻としての色っぽさがすごく良くてほんとに魅力的でした。もっと続編も見たいけどお母さん死んじゃったし、寅ちゃん出て行っちゃったし、もう違う物語になっちゃうもんね。残念。

もう会えないと思っていた寅さんに、違う形で再会できたことがとっても嬉しい作品です。「男はつらいよ」を知らない世代でも楽しめる作品ですが、やっぱり知っていると彼らのその後の姿と相まって感慨深いです。大人の寅さんは、純粋であってもそこは大人らしい振る舞いをしていたものですが、少年寅次郎くんは優しい性格はそのまま、素直に表してくれます。昭和の下町も良い感じです。さくらちゃんも可愛いし、おじさんおばさんタコ社長も皆々若い。もう一度映画が見たくなりますね。このままのメンバーで何年も続けてもらい、青年寅次郎も、成人寅次郎も、ずっと観ていきたい作品です。

久しぶりにドラマを見てボロボロ泣きました。悲しくて切なくてやるせなくて、それでも寅ちゃんが笑うからこちらが泣けてきました。いつも人の悪口ならスラスラと喋れるお父ちゃんは死んでしまうお母ちゃんに「あー」とか「うー」しか言えなくて、無言で手を握り頬ずりするお母ちゃんの綺麗なこと。その顔を心配そうに見つめるお父ちゃんの切ないこと。しっかり夫婦として愛を育んできた感じが見られてまた泣けました。それにしてもどうしてお父ちゃんが寅ちゃんに辛く当たるのか、その謎は明かされないままでした。そこだけが気がかりでした。

少年期の車寅次郎が上手く描かれているドラマでした。古くからある作品でファンも多い「男はつらいよ」シリーズだから見る前は正直つまらないかなーと期待してなかったけれど、見たらそんなことはなく面白かったです。寅さんの出生がよくわかったし、おいちゃんおばちゃんの若い頃の様子もわかります。桜ちゃんは小さい頃からすごく可愛いです。なぜ寅さんがあの性格になったのか、なぜあの生き方を選んだのかよくわかります。寅さんとお母さんのシーンは感動するところばかりです。おばあちゃんから孫まで三世代でも見れるドラマです。

いいドラマだねー。こういうのを朝ドラで半年かけてやってくれないかねー。子供はちゃんと子供で、中学生はちゃんと中学生でしかもその両方が渥美さんに激似というクオリティ。それを支える家族もお父ちゃん以外みんな素敵。大人になった寅さんがなんであんなに家に居づらそうだったのか子供心に不思議だったけれど、こんな幼少期なら仕方ないかもなと思う演出。全ての根源はお父ちゃんでしたか。その嫌味を言うお父ちゃんにみんなどうして諌めたりしないのかって言うのが不思議で仕方ない。あんなに大人がついているんだからもうちょっと庇ってやりなよ！

ほんとに好きなドラマ。たった5回で終わっちゃうなんて、なんてもったいない。それこそ朝ドラで観たかったクオリティ。寅ちゃんもサクラちゃんもきちんと渥美さん倍賞さんに似ているのよね、そこもびっくりしてます。ほんとに「あー、とらさんってこうやって育ったんだろうな」って目に浮かぶものね。家族も親戚も近所の人まで愛に溢れているんだけれど、お父ちゃんみたいにいつまでも「お前はよそ者だ」と疎外感を与える人もいる。だからフーテンになってたまに帰ってくるような人になったんだろう。ほんとに良くできているなー。

飲んだくれのお父ちゃんはちゃんと兵隊さんできたのでしょうか？飲んだくれだし悪態はつくしどうしようもないけれど、さくらちゃんを見つめる目が優しくて光子さんに甘える姿が可愛らしくて何とも魅力的だよね。だからあんないい女房がもらえたんだろうけどさ。
寅ちゃん、幼少期にありがちな「僕なんていない方が‥」っていう悩み。お母ちゃんの涙で一気に解消したよね。寅ちゃんがお母ちゃんにぎゅっと抱きしめられてなんだか私も心があったかくなって嬉しかったなー。

小さい頃なんとなくテレビでやっていた『男は辛いよ』、寅次郎があんなにチャランポランなのは父親の影響だったとは！しかもお兄さんがいたのね！だから次郎ってついてるのかといちいち納得。貰い子だと本人にも隠していないのいいのか酷なのか。随所随所に自分はここの子ではないんだと遠慮する姿が悲しい。それも大人の寅次郎をつくる上で大切な要素なんだと思うけど、少年が下を向いて耐えている姿は胸にくるものがあるよね。でも周囲の人が温かくいいドラマだなと思う。

血の繋がった父親はどうしようもないバカだけど、血の繋がらないお母さんはどこまでも懐が深くあんなお母さんに育てられたら幸せだろうね。世間は狭いからこの子がどんな境遇で生まれたかわかってしまう、だからこそ強くまた人々に可愛がってもらえるような人になるようにと名付けをお願いするシーンに愛が溢れていてとても感動しました。人の口に戸は立てられないから自分でそれに負けない強さを持たなきゃいけないんだよね。こんなドラマが増えてほしいな。

いやーいいドラマに出会いました。みんなに愛された寅次郎は子供の頃からも愛されていたんですね。どこか渥美清さんに似ている子役さんがとても愛らしく、よその芸者に子供を産ませた遊び人の父は憎たらしく、それもひっくるめて大きな愛がある母はどこまでも優しい。家の仕事も手伝わないで遊びに行く旦那を見て見ぬ振りをするって私にはできないなーこんな肝っ玉母ちゃんにはなれそうにもない。今回だけで赤ちゃんの寅次郎と赤ちゃんのさくらが出てきた。久しぶりに新生児をみてすごくかわいいなと思った。