昭和元禄落語心中

鳴海莉子さんの演技力自体に問題があるのではなく、これはもうキャスティングミス。

自分の父の死について主人公を怪しみながらも、落語をしたいという葛藤にゆれるヒロインの姿には心を動かされました。カワイイだけではない女優さんだと思います。

最初に登場した時からイメージが違うと思いました。原作のアニメを見ていたので、成海さんは違和感がありました。難しい役だとは思いましたが、役になりきれていない感じで、セリフがなんかセリフっぽいというか、自然じゃないというか、無理している感じに聞こえてしまいました。他にもっとイメージに合う女優さんは誰だろうとか思ってしまいました。

原作の作品が好きだったため、どうしても成海璃子さんの演技の仕方の雰囲気が合わず、少し残念でした。思春期に荒れていた元不良の雰囲気も演技にあまり出ていなかったのでとても違和感を感じましたし、お座敷に出ている人の色気のようなものもあまり感じられなかったように思います。

「昭和元禄落語心中」は原作の漫画のファンだからか、ちょっと厳しい目で見てしまいました。ドラマ化されるとなった時はかなりテンションが上がりました。だいたい漫画通りなので面白いけれど、成海璃子さんが演じる小夏はちょっとイメージが違うなと思いました。ただ、成海璃子さんの演技はイマイチという訳ではないのです。原作のファンとしてはもうしこし大人っぽくて下町の姉さん的な雰囲気が足りなかったかなと個人的に思っています。別物だと思って見ればいいのかもしれませんが、気になってしまいます。

一生懸命演じているのはとても伝わってきますが、その「一生懸命です！」という力みが全面にでてしまい、見ているこちらが疲れてしまいました。
お顔立ちは美人で好きなのですが、演技となると、いかんせん「声の野太さ」で台無しになっている気がして残念です。