盤上の向日葵

千葉雄大さんは、将棋の一流の棋士を演じるにあたって、和服の着こなしや将棋を駒を並べたり指す所作をかなり練習され努力されたんだなと思いました。ただ、どうしても将棋ファンとしては、千葉雄大さんが持っている顔立ちのせいか柔らかさが感じられ、日々厳しい世界て対局に挑んでいる将棋の棋士には、物足りない感じがしました。あくまでも棋士を"演じている"という印象で、なり切っているようには思えなかったのが残念です。

ちょっと原作のイメージからすると、若くてかわいい感じの上条桂介だと感じています。しかしヒーローものの出身から良い演技をする役者さんに成長したなぁと思います。シリアスな演技からコミカルな演技までこなせる実に器用な役者さんだと思います。

まず、千葉さんが「棋士を演じる」、という事に新鮮な驚きを感じた。将棋の対局はテレビやPCでたまに見るが、なるほど、彼の持つ独特の佇まいは棋士に合っているのかもしれない。悲しみや辛い経験、そして驚くべき秘密を内に秘めつつ、トップ棋士まで上り詰めた「上条桂介」役は、これまでの彼の役者経験を総動員して臨むところとなったのではないか。演じている対局シーンが、自分（＝千葉雄大）との戦いそのもののように見える。後半のドラマの展開ともども、見逃せない。