真田丸

ドラマの前半ではきりの空気を読まずにズバズバ生意気な口をきく所やふてくされたような可愛げがない態度や表情に「うざい！」とイラついていましたが、年齢を重ねるごとに単なる信繁の幼馴染ではない、母であり姉でありというような恋愛感情を超えた深い思いを感じさせるステキな女性に変貌していき、長澤さんの演技力に驚きました。最終回直前、信繁に抱きしめられた時、ふっと力を抜いて体を預ける姿は泣けました。

長澤まさみのファンですが、ドラマの中では彼女らしく明るくて、とても勝気な女性役を演じていたと思いますが、時代劇はあまり似合わない感じを受けました。どちらかというとじゃじゃ馬なお姫様か、クノイチといった役まわりの方が適役なのではないかと思った。今回ドラマの中では最後まであまり報われない役だったのは残念でした。

幼馴染で初恋だった人を愛しながら最後までつきそい姉のように支えた女性。真田丸では『きり』という類い稀なキャラクタを見事に演じました。お茶目で太っ腹、野太く限りなく優しい、そんなキャラクタに長澤さんが重なり、今までのイメージががらりと変わりました。長澤さんにとっても転機となるような役だったのではないでしょうか。今後の長澤さんを見るのがとても楽しみです。