緊急取調室 第3シリーズ

鈴木浩介演じる監物刑事の、最後には「俺たちもキントリの一員」と言った、ホットな感じが良かったです。結局“モツナベ”扱いにも抵抗できなくなるほどキントリに馴染んでいて、コミカルな感じとツンデレが上手く融合していて、欠かせないキャラだな、と感心しました。

渡辺に「キントリの皆が辞めちゃうかも」という話を聞いた時の動揺した顔や渡辺に「モツさんを必ず助ける」と言われた時のぶっきらぼうな態度など、素直になれないけど実は人情味があるという監物の意外な一面を、具体的に気持ちを表す言葉がなくても、台詞のニュアンスや表情だけで視聴者にきちんと伝えてくるところがさすがの表現力だなと思います。

急にいい人になっちゃったというのが一番の印象。これまでのシリーズではわりとキントリチームを敵視している感じだったのに
指示通りに捜査したりしてモツナベとしての存在感がなくなったな。もこみちの方が目立っちゃってると思う。
でも優しい理解ある刑事さんの感じは結構好きです。

緊取班だけだとお堅い雰囲気になりがちですが、堅物が加わることで空気感が良くも悪くも変わります。事件シーンでは緊張感を醸し出す時もあれば、パシリじゃねえといいつつ緊取に協力する時もあり、その二面性のある部分が人間味にあふれていて面白いです。

彼の芝居が好きだ。後輩思いのちょっと抜けた先輩刑事役は彼のコメディリリーフとして才覚が垣間見れる当たり役のひとつだろう。大御所が出ているとドラマに厚みと深みが増す事を期待するが、彼が出ていると、きっと面白いドラマになると確信し、ついつい観てしまう。

捜査一課のパイセン刑事。もこみちを後輩にもつメガネ。聞き込みで大人気のもこみちに比べ、メガネの彼は足で稼ぐタイプの刑事で、革靴はいつもピカピカだ。聞き込みでは、なかなか真摯な態度で接してくれる。捜査協力してやってもイイかな？程度のメガネだ。

「俺達のおかげで解決した」とキントリメンバーにドヤ顔を向けたり、死体を見て速攻吐きに行ったり、偉そうな態度とヘタレな中身のギャップが監物の小者感を際立たせていて上手いです。キントリに報告に来る時もよく通る良い声なので一瞬で目を引いてその場の空気を自分のものにしてしまうし、少ない出番でも存在感をしっかり示していると思います。

同じ店で呑んでいるのにキントリと離れた場所に座ったり、ブツブツ文句を言っていたり、出番は少なくても監物の器の小ささをしっかり表現しているのがさすがです。キントリを目の敵にしてるけど能力は認めているという微妙な距離感も、捜査状況を教える時の不貞腐れたような口調や目線を合わせない感じでちゃんと伝わってきます。