10の秘密

やっぱりこのドラマを支えていたのは仲里依紗さんだったな、と思いました。　
シーンごとに表情や雰囲気が全然違い、間の取り方も絶妙でした。
特に、夜の街に出ている時は全く別人の様で「やっぱり凄いな」と感じました。　

10年女優やってるせいか演技のイロハは身につけているという感じです。喜怒哀楽の表現がナチュラルで演技してるなー感を感じません。一時期黒幕説が出るくらい怪しいと視聴者の一部に思わせたのは演技力が高い証拠だと思います。ドラマ内で彼女が主人公に長年隠し続けてきた秘密を告白するシーンも涙を誘います。

仲里依紗の演技で菜七子の苦悩がすごく伝わってきて、共感してしまいました。圭太のことをダマすしかなかった苦しさや、自分にウソをつこうとしても正直に出てしまう気持ちの不安定さが切なかったです。やっぱり圭太のことが好きなんですよね！

家族？と思うくらい白川家に入り込んでいる割に関係性が薄っぺらく感じられます。遠慮している感を出しているかな？とも思うのだけど噂を聞きつけた近所のおばちゃんみたいな時もあるし、すごく微妙な感じ。いろいろな役をこなしてうまさを見せている女優さんだけに、離婚した奥さんと会うシーンなどは表情やしぐさにもう一工夫ほしいですね。

3話で瞳の相談に乗ってあげる時の表情に本当のお姉さんみたいな温かさがあって、2人の仲の良さや絆を感じることが出来ました。瞳が小さい時からお世話したり遊んであげたり、親戚みたいな距離感で接してきたんだろうなと、過去の2人の姿が目に浮かぶような良い表情でした。「言っちゃえよ～」と程良く砕けた口調で思い悩む瞳を明るく鼓舞してあげていて、菜七子の姉御肌っぷりやサバサバした性格が滲み出ていたところも良かったと思います。

気がきいて面倒見の良さそうな感じが保育士という役柄にピッタリ。
ヤブキの部屋に忍び込んだ圭太を助けるために、ドアの前で宇都宮たちを相手にごちゃごちゃ言い訳してたのは苦しい感じだったけど、親である圭太やユキコよりも、よっぽど瞳のことを親身になって心配し気遣ってる雰囲気はしっかりある。

矢吹の部屋の前で宇都宮を引きとめるシーンが緊迫感があって良かったです。上を見たり宇都宮から目を逸らしたり、会話が終わりそうになると動揺してキョロキョロと視線が定まらなくなったり、どうすべきか考えを巡らせて何とか時間を稼ごうとする菜七子の必死さが目の動きだけで伝わってきたのが印象的でした。

白河と話す時の遠慮のないサバサバした口調やふるまいから2人の付き合いの長さや家族のような距離の近い関係性が伝わってきたのが良かったです。菜七子も秘密を抱えている設定ですが、時折見せる意味ありげな表情や眼差しが「秘密と関係あるの？！」と好奇心を刺激してきて、ドラマの良いスパイスになっていると思います。

「カメレオン女優」と言われているだけあって、この人の演技って凄いですね！
しゃべり方や声まで役によって全く違う！驚いていまいました。
今回は主役の幼馴染みって事で、とても親しい人に気取らず話してる様子が分かりやすいです！