続・続・最後から二番目の恋

ちょっとしたきっかけでモデルをやるようになってから和平が言うように垢抜けた典子。ほんとに回を追うごとに背筋が伸びて衣装も変わってどんどん綺麗になっていきました。典子の成長があったからこそ最後丸く収まっても惨めな感じはしなかったです。

翔との思い出を話す典子はその時の翔の顔を思い出すかのように穏やかで優しくて、それだけいい思い出なんだなと思えた。その話を千明に書いてもらおうとするまでが典子のセット。図々しいオチまでが典子らしくて良かったです。

和平と軽口を言い合うところで2人の口調が似ていて兄弟だなと笑ってしまう。人懐っこさの中に人恋しいところが見えて典子の不安が透けて見える。どんどん持ち上げられて虚像になっていく自分のギャップに悩んだりいつも寂しげなところに共感する人も多いかも。

バスローブを脱ぎ捨てる典子、緊張気味で本人としては大女優のつもりなんだろうけど顔が強張っていて力が入りすぎていたからプロレスラーのようになってしまっていて面白かったです。気合いがみなぎっていて猪突猛進タイプの典子って感じがしました。

千明みたいに積み上げたキャリアもないし家庭も空中分解してるみたいな典子。やさぐれながらもまだなにかできるかもしれないと思っているんだよね。詐欺かどうか怪しい誘いに疑いもせず乗ろうとして浮かれてしまうところとそれを指摘された時の肩をがっくり落とすところは典子の素直さが出ていて憎めない。報われてほしいなと主婦なら思ったと思う。