アバランチ

爆弾持って追いかけてきた西城にタックル食らわしたときの得意気な顔、逃げようとする人たちに早くエレベーターに乗って逃げろと人が多いことに焦った顔、屋上で爆弾を放り投げて仕事したぞという顔、表情がコロコロ変わってよかった。
でも最後の表情が印象的過ぎて、本当に死んでしまったのか信じられません。

文字通り命がけで仲間と民間人を守ったウツさん。自分が何をすべきか悟って決断したあとの晴れやかな笑顔が印象的で、その正義感の強さと真っすぐさに胸を打たれました。年長者だけど気さくで取っ付きやすく、年下のメンバーにもいじられて場を和ませていて、メンバーに慕われている姿を何度も見てきたので、喪失感がすごくてひたすら悲しく悔しいです。

衝撃の爆死を遂げた打本ですが、爆弾を見て、彼がその決断する数秒の演技が素晴らしかったです。爆弾のエキスパートであり、それがゆえに絶望的状況を知った瞬間のちょっとした逡巡と下した決断。それがよく伝わってきました。メンバーの中で唯一特別な復讐心は持たず、ただ純粋に正義を持っていた打本だからこそ、この決断と結果を生んだというのがわかります。田中さんは個性的な容貌に目が行きがちですが、細かいディテールを大事にする素晴らしい芝居だったと思います。

ぬぼーっとして何を考えているかわからない感じとか、口から出てくる嘘が嘘に聞こえないと感じてしまう"普通"さ、若者の爆発に感化されて自分も弾けちゃう若さとかアバランチを上手くまとめてる存在だと感じる演技が素晴らしいです。

やっと自分の出番だとめちゃくちゃ張り切ってるから神崎によっぽど恨みがあるんだろうなって思ってたけど、まさかの無関係！何か辛い過去を抱えていそうな雰囲気があったのにびっくりしました。不正をした上司の車を爆破するって短絡的でエキセントリックな一面も披露されて、4話は打本のギャップにやられっぱなしでした。他のメンバーと違って因縁はないようだけど、リナを優しく気遣ったり、牧原などかなり年下のメンバーとも仲良く打ち解けたり、仲間に対しては懐が深くて思いやりがあって、こういうどっしり構えた年長者がいてくれると精神的に安心出来てまとまりが出てくるし、アバランチに必要不可欠な人だなと改めて実感させられました。

自分の足を使って情報を集めに行く昔ながらの刑事のようなやり方が、ネットを駆使する現代的な牧原と良い対比になっています。目撃者のホームレスへの話の聞き方も気さくで親しげで、相手の懐にスッと入るコミュ力の高さを感じさせました。差し入れを一度に渡さないところも駆け引きの上手さを感じさせて良かったと思います。