アバランチ

撃たれて応急処置はしたけど戦ってまた出血が酷くなって、脂汗かいて貧血で倒れそうなのに足取りはしっかりしてて、さらに狙撃されて出血が酷い状態になっても総理に伝えようとする覚悟がとても伝わってきて、羽生の正義に対する思いの強さに涙がとまりませんでした。

羽生という男の行動理念は、あくまで自分の考える正義を貫くこと。かつて正義を貫く者はヒーローだったわけですが、現代社会で正義を貫くことは、羽生のように悪党にならなければならない時があるという逆説を見事に表現していたと思います。羽生という男の刹那な部分と筋の通った部分、クレバーな部分と暴力的な部分、様々なディテールがしっかりとひとつの人格として感じられ、綾野さんの役作りの見事さを感じました。かつて松田優作が表現した虚無とはまた違う、体温を感じるバイオレンスさはとにかく脱帽の演技でした。

諦めたくないのに諦めなきゃいけない雰囲気が襲ってくるのをバカにするなよと強気に耐えていた表情が印象的でした。藤田が生きていたと聞いたときのやるせない、日本語がわからなくなったような認めたくない感情もとても伝わってきて切なかったです。

大山に自分の意見を話す表情は本当に楽しそうで、話がしたいというより宣言に来たんだよという軽さがあった。でも大山が"仲間にならないか"と言ったら顔から表情がなくなったのが凄いと思いました。

正義を標榜してはいますが、ピカレスクに近い性格があるアバランチ。その中でも綾野さんが演じる羽生というキャラは、まさにアウトローです。タバコやオイルライターなどの小道具を上手く使いながら、アウトローらしい達観と不敵さをしっかりと表現していますが、その中に綾野さんらしい繊細さを感じさせる芝居ができるところが素晴らしい。アクションの見事さは相変わらずですが、セリフや表情の強弱が本当に巧みだなと感心しました。

こんなこと想像もしないだろと総理を誘拐する計画を立てたときの楽しそうな表情と総理の護衛を一瞬で落としちゃうヘラヘラ感と強さ、総理を誘拐したのに何も解決してないとわかったときの焦りの表情など見入ってしまう表現ばかりでした。

車に跳ねられても変わらず軽い感じで敵を煽ってるのは楽しそうだった。でもあの状況での銃には逃げる以外ない。やられたという表情とやり返してやるという闘争心が軍の介入がわかって一気に冷めたのがわかったのもよかったです。

生きてる価値も見いだせず、でも死ぬこともできない暗さが本当に羽生を覆ってるような影があった姿から、あかりのやったことを知ってもう一度"正義"を信じたいと明るくなった変化が素晴らしかったです。

打本が張り切るとにこにこして、打本の行動に大爆笑して、西城と話すときもにこにこしてて、笑顔が多いなと思ったら"もう戻れないぞ"と真面目な表情に。声のトーンなども変わっててギャップがとても良かったです。

出番は運転手くらいだったけど、ふとした表情がなんとも言えなかったです。
リナが花音を苦しめた男を殴って戻ってきたときの、包み込むような優しさに涙がとまらなかったです。

にこにこ笑ってて"なんだこいつ"と思わせたところから"話し合いから始める？"という現実に戻し、敵を叩く一連の流れが素晴らしかったです。牧原の話を聞いて俄然やる気になってた笑顔も素敵でした。

アクションが凄かった
ストイックって聞くけど本当凄いね
TVerで見たよ
2話からリアタイ決定です

爆発のPTSDで苦しむ姿からふわっとチャラそうな軽いキャラになり、仕事となったら声のトーンも変わって本気なのが伝わる。刀を持ち出した組員とのアクションは狂気性を感じるも冷静にボールペン1本で終わらせるカッコよさが凄かったです。

ワイルドでちょっと茶目っ気もあって正義感が強くて熱い、恋愛ものよりもこういう役の方が断然ハマっていると思います。アクションもスピード感とキレがあって迫力満点でした。人質庇いながら日本刀持った相手と対峙するシーンが特に印象的で、狭い室内で動きにくそうなのに全然段取りっぽく見えないところが凄かったです。

これぞ綾野剛
最高にカッコイイです

ダークヒーローといえば綾野剛
毎回役によってビジュアル体型声まで変えてくる
ここまでストイックに努力する稀有な俳優さんだと思います
優しい産科医から天然な自衛官
浮気性な結婚に向かない男更にはマイノリティー役までこなす綾野剛さんの最新作
綾野剛の代表作を更に更新してきたの本当に凄いです