ちむどんどん

賢吉さんはいったいどこから優子さんの縁談頼まれて持ってきたのだろう。頼まれてではなくて、あの村のみんなの気持ちなのだろうか？それにしても、いつもいつも言いにくいことを言わされる損な役回りで、少し気の毒に感じたりもするけれど、それだけ信頼も厚いのだろう。言葉の端々に優しさと言うかそういう感情が見え隠れするから、とても奥行きのある人に感じてすごいと思う。

いつも真っ当なこと言ってて、でもうるさがられるというか…そういうのがすごく良い。良子への縁談の時の嬉しそうな顔と後ろ姿がなんとも言えなくて。意地悪な人っぽく書かれていますが、そんなに裕福とも思えない中でうるさいことを言いながらも度々助けてくれるおじさんは良心的なすてきな人だと思います。

保証人である自分のことばかり考えている嫌なおじさんという印象ですが、でも互いに貧しければ、まずは自分のことを考えるのが普通。むしろ善人である賢三と優子が普通じゃないと対比のために存在するキャラクターだろうと思います。結果的には暢子が沖縄に残ることを許したんだから、悪い人ではありません。こういうごく普通の人を演じるのは役者として旨味が少ないし、実は難しい上に視聴者には好かれない。でも石丸さんのようにこういう役をしっかりと演じてくれるから、ドラマに深みが出る。そんな巧みな芝居だと思います。