警部補ダイマジン

第二話にしてグズグズしてきてしまって山場が見つからなくてつまらなく感じてしまった。それからが面白くなるところなんだろうけどそこまで興味が持つだろうかってところ。やっぱり見やすいように1話で1人は解決していかないとつまらない。結局夫婦のように暮らしていたあの夫婦はどんな関係だったのか分からないまま女性の方が殺されちゃったし、単にアクションを見せたいだけのようにも感じられてながら見しました。グロさより爽快感が欲しいですね。

たえとば台場と市川の格闘シーンの合間に、さくらと牡丹の力の抜けたシーンをはめ込むことで、緩急をつけようとした演出はわかるが、正直なところ古臭い感じがする。ただでも台場のキャラは底が浅い印象なので、もっと緊迫した時間を長くした方がいい気がする。このままだと台場のバイオレンスさは、厨二病の独りよがりな暴力衝動とさして変わらないものになりそう。また最近のドラマは秘密結社流行りなのでしょうか。サスペンスや刑事ものなどでは高確率でそういうものが出てくる。わかりやすいラベリングをするために、わかりやすく所属をはめる。ちょっと安易な感じがしてしまいます。申し訳ないけど個人的にはあまり面白くないです。

物語の前半は世直し的な短期集中型の展開で面白かったけど台場に関わる登場人物の奥が深くて見入ってしまった。特にポーカーフェイスの平安さんの抱えているものは重い。あなたのお父さんは日本を滅ぼす悪魔、お父さんを見つけて、殺して‥なんて実の母から聞くってすごいよね。それよりまずお父さんが誰かを教えないとなのにそれをしなかったのは違う意味ですごい。そんな言葉をあんな小さな子供に背負わすなんて親としては共感できない。三池さんのグロさはまだ抑えてのようで安心した。このくらいで収めてほしいな。

三池祟史監督だし、バイオレンスものだとは思っていたけど、最近は現実社会が無節操に悪辣だから、登場人物がかわいらしくさえ感じてしまいます。特に台場のような安易で単純な正義感の持ち主は、ダークヒーローともアンチヒーローとも言い難く、むしろマヌケさを感じてしまいます。主演の生田さんですが、大河で源仲章を実に良い悪役ぶりで演じていたので期待していたのですが、嫌味な役は出来ても単純に暴力的な役はうまくないようです。何にしても暴力は結局のところ破壊行為。破壊して何も無かったことにするのは、ただ家を壊して更地にするだけと同じ。そこに何を残せるかが、見どころになると思う。

台場がやっているのは所謂「私刑」で、相手がいくら法で裁けないクズであっても殺人は犯罪で、台場自身も天羽と同じ犯罪者なんだけど、台場にも始末を指示する平安にも清々しいくらい罪悪感がないところが凄い。こういうテーマのドラマって神でもないのに何であんたが裁いてんだよって思うことがあるけど、台場も平安も自身の正義が全くブレないから観てるこちらも余計なこと考えずにスッとドラマの世界に入り込めるところが良いなと思いました。展開が早いし、時系列も行ったり来たりするし、事件同士が複雑に絡んでいたりして、しっかり観ていないと置いていかれそうだけど、キャストも豪華で見応えがありなかなか面白かったです。