ひとりでしにたい

登場人物それぞれの機微や葛藤が伝わるドラマで、良いところも悪いところも何となく身につまされるのだけど、このキャラだけはそれがない。悪気がないから余計に最悪だ。

おそらくこの世で一番いやな奴は、悪気がなく、意外に無知で、それなりに賢く、自分のことは棚に上げて、感情論なのに、完全否定はしづらいある意味での正論を押し付ける人間だ。聡はそれにすべてはまる。きっと結婚して子どもを育てている自分は、結婚しないでひとりでいる姉より偉いとどこかで思っている。

結婚なんてタイミングの問題だし、子どもなんてやることやればできる。なにが偉いのだろう？少子化は大きな問題だけど、それが子育てするものは偉いというカーストを生み出しているようにも感じる。

そこまで意図したキャラ設定なら見事だけど。

小関さんの演技はいかにも姉を小ばかにしている感じが出ていた。芝居としては上々。このキャラは嫌いだけど、芝居はマルです。

姉と弟で介護の問題を話し合っているときに一度も奥さんの方を見なかったの好感度高かったなー。あくまで自分と姉の問題ってスタンスが嫌なやつって思うところもあるけど昭和の父から多少アップデートされていて悪くない。

親が家を売りたいと言い出したのが姉ちゃんの入れ知恵だと知り怒り出すとか、親の介護を姉ちゃんがやるものだとはなから思ってるところなど甘い蜜は吸いたいけど面倒なことはごめんだと思っているところが透けて見えて男ってやつはと呆れてしまう。家族に対して他人事感が出ていてモヤモヤします。