イグナイト -法の無法者-

原告として証言台で父への思いを語るシーン、父を尊敬して誇りに思う気持ちや、その父が無実の罪を着せられて名誉を傷つけられた悔しさ、憤り、5年間の色んな思いが伝わってきて印象深かったです。宝田を追い詰めるシーンも宇崎らしい熱さはありつつも終始冷静さと落ち着きを保っていて、弁護士として、人間としての成長が感じられたのも良かったです。

大事な失敗できない裁判で相手を追い込んでどうにか欲しい情報をしゃべってもらえるように誘導をかけていくところで、ものすごい棒演技なのが笑えた。宇崎の伸るか反るかの大事な場面、声が上擦り気味なのも緊張感があってよかったね。

戦力として成長して頼もしくなってきたけど、いきなり本丸のGIテクノロジーズを攻めようとしたり、浜岡から湿原を引っ張り出した時のやたら芝居じみた反応など、ド直球で不器用なところは変わっていなくて、そこが宇崎らしくて良かったです。お母さんとの晩御飯シーンも、支え合って必死に生きてきた５年分の思いや、無念を晴らすために何でもやるという強い覚悟が感じられて良かったと思います。

5年前の出来事がメインだったから9話は出番が少なかったけど、どこか陰を感じさせる眼差しや荒んだ空気、抑え目な声のトーンが今の宇崎とは別人のようで、この時はまだ「加害者遺族」扱いだったんだなってその表情や佇まいからしっかり伝わってきたのが良かったです。

河野を尋問するシーン、感情的で熱さ全開だった1話とは別人のような落ち着きと冷静さが頼もしくて、宇崎の成長を感じさせました。「もう良いなんて言わないで下さい」というご遺族への言葉も、口先だけのものではなく、状況は違えど自身も父のことで悔しくて辛い思いを経験してきたからこその重みと説得力が感じられて良かったです。

伊野尾が何かを抱えてることを察しつつ、本人が話そうとするまで踏み込まずそっと見守る姿が宇崎の優しさと、熱血で猪突猛進なだけではない意外な思慮深さが感じられて良かったです。溜まりに溜まった怒りを爆発させて黒田を背負い投げする姿も格好良くてスカッとしました。

熱血キャラってやりようによっては口だけの薄っぺらい安っぽい人に見えてしまうけど、誰に対しても常に全力でぶつかっていく姿や正義感の強さを感じさせる力の籠った鋭い眼差し、良くも悪くも迷いのないきっぱりした口調、宇崎のとことん熱くて真っすぐな姿勢をしっかり表現していて、周りの人の心を動かす説得力があるのが良いですね。観てる側が嫌悪感を抱くまではいかないけど、宇崎の鬱陶しいほどの熱さはちゃんと伝わる絶妙な塩梅も上手いなと思います。

今回はクールな桐石と組んでるからか、いつもより大人しめだなあって思ってたら、シリカの説明で急に食い気味に熱弁し始めて、いつも通りの大きな声と気合の入った力みっぷりに何処にいってもブレないんだなあって笑ってしまいました。芝居がぎこちなかったり笑顔が引き攣っていたりと潜入が不慣れな姿も、シレっと経理主任になりきっている桐石の凄さをより際立たせていて良かったです。

ヤクザ相手でも全くビビることなく、しっかり相手に殴らせてから正当防衛の体で大暴れするところも、怒りで熱くなってるけど法律家として冷静に問われる罪状や罰則をツラツラ説明する生真面目さも、宇崎らしさ全開で良かったです。大声で台詞を言うシーンが多いけど、声が良いからか煩く感じないし、滑舌が良くて言葉が上滑りせず聞きやすいところも良いなと思います。

相変わらず正義感の塊で熱血で、頭に血が上りやすくて、高井戸に「着火野郎」って呼ばれちゃうのも納得。すっかり伊野尾ちゃん呼びが定着してるところや、クオンに話しかける時に伝わりやすいようにはっきりとした口調で少しゆっくりめに話す姿も、宇崎の素直さや優しさが感じらえて良かったです。弁護士とは思えない派手なアクションも迫力があって格好良かったです。

暑苦しい猪突猛進なキャラクターは弁護士というより熱血刑事って感じもするけど、他の3人が割り切っていてめちゃくちゃクールだから、全体のバランスとしてはこれくらい熱くてちょうど良いのかも。自分の意志を原告に押し付けてしまう未熟さも、轟たちのやり方に納得出来ずモヤモヤして落ち込んでしまうところも、宇崎の強すぎる正義感や真っすぐすぎる性格が感じられて良かったと思います。

お腹から出してますって感じの太く大きい声や、力強い眼差し、気合入りまくりな姿が、宇崎の正義感の強さや熱意を感じさせました。地面にしっかり足をつけて立つ姿や、頭を下げる時の姿勢など、何気ない所作から武道をやっていた人らしさが滲むところも良かったです。法廷シーンも、美咲の気持ちが誰よりも分かるからこその熱さがあって見応えがありました。