華麗なる一族

大介に二子を幸せにしてあげてと頼むシーンがとても良かったです。涙ながらに訴える姿が妹への愛情と一子自身の結婚生活の辛さを物語っているようで胸が痛くなりました。大介に直接相子のやり方が強引だと非難したり、口を出すなと厳しく叱責されても食い下がったり、いつもの控えめな様子とは違う、強くて必死な様子が印象的でした。

二子に「私のようになって欲しくない」と寂しく笑いかける姿がとても儚くて哀しげで、その表情だけで美馬との結婚生活がどんなものかを察することが出来て切なくなってしまいました。自分のことはもう受け入れて諦めてしまっているけど、せめて妹たちには幸せな結婚をして欲しいという願いも感じれ、でも自分にはどうする事も出来ないだろうなと悟っている感じもあって、表情だけで万俵家の人間として生まれた運命を表現しているところがさすが上手いなと思いました。

おっとりとした上品な口調や背筋の伸びた立ち姿が良家の令嬢らしさがあって良かったです。和服も洋服も品よく着こなして素敵です。「～ですわ」など台詞回しもとても自然で違和感がなく、普段から使い慣れてる感がちゃんとあるところもさすが。大介にお土産を貰って喜ぶ息子を見ている表情に優しい母親らしさが滲み出ていたところも良かったと思います。