恋は闇

設楽の前で暴れるのはただの駄々っ子でしかない。あんなの警察官がやるべきではない。心情は痛いほどわかるし、いいように交わされて腹が立つのもわかるけどあれじゃただの猛獣だよ。警察はバカだって言われるよ？なんかがっかり。

設楽と対峙するシーン、鋭い視線と強めの口調で最初から戦闘モード全開で、設楽を犯人だと決めつけているような怒りと強い疑念を感じさせました。設楽の挑発に声を荒げたり掴みかかろうとする冷静さを欠いた姿や、形見の時計を悔しそうに見つめる姿も、早く大和田を殺した犯人を捕まえたいという焦りやもどかしさを感じさせて、何とも言えない気持ちになりました。

大和田の遺体を目の当たりにした時の慟哭や、葬儀の時の息子さんとのやりとりが正聖の大和田を心の底から慕い尊敬する気持ちを感じさせました。ポロポロ涙を流しながら息子さんに謝る姿も胸が痛かった。捜査をしてる時の表情や眼差しにこれまで以上の鋭さや緊張感、気合が滲み出ていて、絶対に大和田を殺した犯人を捕まえるんだという強い覚悟が感じられたのも良かったです。

向葵から万琴を呼び出したよって連絡が来た時に、ガラス戸でスーツ直したり髪の毛整えたりソワソワ身だしなみチェックをしている姿が微笑ましかったです。浩暉が女性と暮らしてたって聞いた時も、やっと巡ってきたチャンスなのに「たまたま友達が来てたのかも」「家族かも」って必死でフォローして慰めていたし、万琴絡みだとホント学生みたいにピュアで不器用で応援したくなる。絵に描いたような良いヤツを嫌味なく爽やかに演じているところも良いと思います。

浩暉真犯人説を直球で上司にぶつける姿が、正聖の真っすぐさと不器用さを感じさせました。向葵からお誘いの電話があった時も万琴の話ばかりしちゃうし、事情聴取の時に浩暉が万琴の名前を出しただけで動揺したり、どんな時も万琴のことが頭にあるんだなって想いの強さ、深さが感じられたのも良かったと思います。

怪我をしたマコトに一目散に駆け寄り抱きしめたところは警察官ではなくいち個人として完全に仕事を忘れているところに小峰の素直さと思いの強さが出ていて良かったです。心配で仕方なかった気持ちが溢れていました。

現場に到着して真っすぐに万琴のもとに向かって抱き締める姿が、小峰の万琴への想いの強さを感じさせました。心底ホッとしたような少し眉が下がった表情や上ずった声も、万琴を失ってたかもしれないっていう不安や恐れが伝わってきて良かったです。

設楽に同級生マウント取ったり、2人が手を繋いでたって聞いた時もめちゃくちゃショックを受けて項垂れていたり、設楽への嫉妬と万琴への気持ちが駄々洩れな姿が可愛くて、素直過ぎる反応に笑ってしまいました。設楽の煽りにカッとなったり、トントン拍子に設楽の父親に疑惑が向く流れにモヤモヤしたり、自身の「刑事の勘」に自信を持つ大和田とは違って、まだまだ若さや青臭さが残るところも小峰のキャラクターに深みが増して良かったと思います。

疲れていても家まで送ったり、男性とすれ違う時にさっと庇ったり、向葵を守る姿が頼もしくて格好良くて、そりゃあ向葵も好きになっちゃうよなあって説得力がありました。向葵と二人で歩いていても出てくる話題は万琴のことだったり、家飲みしてる時も万琴と話す時は特に楽しそうだったり、野暮な説明台詞がなくても、きっと万琴のことが好きなんだろうなって感じ取れるところも良かったです。

万琴からLINEが届いただけで口元が緩んでしまう、分かりやすい姿が可愛らしかったです。あの表情だけで万琴のこと好きなんだなあって伝わってくる。被害者の弟から話を聞く時に、マスコミから守るように連れて行く姿も、労わるように肩を抱く仕草も、小峰の優しい人柄を感じさせて良かったと思います。