舞いあがれ！

いつも鉄板の前から客席で明るく言葉をかけている奥さんを見守るところが好きです。相槌もツッコミも2人の間がとても良くて夫婦漫才のよう。祥子さんのことも雪乃さん同様心配しながら見守っているところがいいですね。

赤ちゃんに会わせてくれてありがとうと姿勢を正して嫁に言える勝さん、貴司くんの親だなと思いました。赤ちゃんを見て泣いたのはきっと会えなかった舞ちゃんのお父さんを思ったのでしょう。お嫁さんが頑張って産んだ子という配慮が梅津夫婦から見えてすごく好感度が上がりました。

暴走気味のお母さんの手綱を引くしっかり者のお父さん。2人のバランスがとても良く安心して見ていられます。ぐっさんの的確なツッコミがあるからくわばたさんが自由に演じられているんですよね。すごくバランスがいいと思います。

奥さん役のくわばたさんもそうなんだけど、これは芝居云々ではなくて、間違いなく大阪の下町の人に見えるというのが重要。大阪人の知り合いはいないから、本当にんな感じかどうかは知らないけど、少なくとも多くの日本人が想像している大阪人の雰囲気がそのまま出ている。山口さんの芝居がうまいのか素なのかはどうでもいい。とにかくキャスティングが上手かった。芝居の本質はどうあれ、観客にそう見えればいいのであって、素でそう見えるならそれでいいし、違うなら演技技術を使って見えるようにすればいい。その意味でこれはひとつの正解だと思う。