舞いあがれ！

悠人の若い頃は冷たい物言いでとっつきにくくて線も細い印象だったけど、最後の1週間は家族を持つことで表情が明るくなっていったのが良かったです。悠人なりの孤独が解消されたのでしょう。娘の髪に手を伸ばしたり軽く微笑んだりと幸せの形を体現していました。

いい人ばかりが出るドラマを見すぎたせいか悠人の反応の薄さに演技上手いのか？って思ってたけど、むしろみんな笑顔で和気藹々って方が珍しいのかもと思います。照れ屋のお兄さんからチラチラ見える本音がふとした目線や口元のほころびから見ることができ、繊細な演技をする人だなと思いました。

悠人の告白、いい感じに上から目線でぶっきらぼうなところがたまりません。どうにかして好きって言われたくなるタイプです（笑）そしてまいちゃん達の赤ちゃんに向けた一瞬緩んだ頬を見逃しませんでした。悠人も根はいい人なんだよなー。

そんなそぶりは全然なかったのに本当はよく見ていて、何を悩んでるのかボソッと聞いたりするところが女心をくすぐりますね。くるみに対する態度が少しずつ柔和になってきているのが気になります。そっけないハルトがいつかデレる日が来るのだろうかと今から楽しみです。

この人の演技を見たことがなく、どんなもんかなと思っていたのですが、本人特有の個性がとても活かされた、ハマり役だとおもいました。
いつもクールで冷静だけど、舞からもらったけん玉を机に飾ってたり、怖いと言いつつも裏返して部屋の見える所にばらもん凧を置いていたり、模型飛行機飛ばし会をこっそり覗きに行ったり、両親の電話に出ないのに舞からの電話には大体出たりと本当は優しいお兄ちゃんという役柄がぴったりだと思います。

舞の結婚式での悠人はすっかり毒気が抜けていて、ぎこちなくはあるけれど穏やかになっていた。覇気がないと久留美に言われていたけれど、いろいろ心に着ていた鎧脱いで試行錯誤している途中なんだなと感じた。

仏壇の前に力なく座って泣いたシーンは良かったと思います。いつも視線をはぐらかし言葉を濁していた悠人がやっとお父さんの前で泣けたところは感動しました。分かり合えたのが亡くなった後というのは悲しかったけれど、頭は良くても不器用な悠人らしい演出でした。横山さんも肩肘張ってやってきた悠人の辛さをヨレヨレになって体現してくれました。

心にバリア張ってツンツンした態度を取っているところから、思いつめてボロボロになっている姿・表情。みんなの言葉で少しずつ自分の内面と向き合い、父の仏前で泣く様が上手く心理描写されていたと思う。

ツンとしていて愛想はイマイチだけれど、佇まいからはそれなりの家庭で育ったこともわかる。家族との微妙な距離感とか、うめづでの表情とか、細かいところまで作りこんで演じているんだなと感心する。

いつもどこか冷めていて家族の中で浮いている。一人でシビアな仕事をしているから笑顔なんて見せることはないし、感情を表に出すことはマイナスになるのだろう。ただ抑揚が無さすぎてつまらなすぎる。もうちょっと家族の前では表情があってもいいと思う。

朝イチでハナダイさんが言っていたけど、ほんとに若い！40で大学生の役をやるなんてなかなかできないよね。妹よりお母さんの方が歳は近いんじゃないの？外見も若いけど、悠人のいい感じの拗らせたところが出ていると思う。