魔物(마물)

ハードなシーンが多いドラマの中で、仁川のちょっと三枚目っぽいコミカルさが癒しになってました。セリフも場面も至って普通なんだけど、口調や間合い、表情が絶妙に面白くて、でもドラマの世界観やシリアスさを壊すことのない良い塩梅で、出番自体は少なかったけどちゃんと個性が感じられて存在感があったのもさすがだなと感じました。

陽子を前にしてミーハー心が抑えきれてない姿がちょっと可愛かったです。「サイン貰っとけばよかった」って悔しがったり、ブランドファンであることをアピールしたり、堂々と公私混同するコミカルで軽快な演技も、ピリついた重たいシーンの合間の良い息抜きになっていて、出番は少ないけどドラマ全体のバランスを保つアクセントとして良い存在感を示していると思います。

前髪を整えながら金原と事件について話していたけど、割と長めに細かく毛流れを気にする姿が美容男子らしかったです。500万送金について電話があった時の大声＆ドヤ顔報告も、秘密が言いたくて仕方ない子供みたいで面白かったです。ヤバい人ばっかりでストーリー展開もなかなかハードなので、仁川のこういうお茶目さや三枚目な姿に癒されます。

爪の手入れも完璧だし全身脱毛もしてるし、マツパの予約もしてるっていうどうでも良い情報を公開するシーンが面白かったです。ヤバい人ばっかり出てきて観てると正直疲れる時があるから、仁川のこの緩さにすごく救われる。力みのない軽やかな演技でドラマの良い緩衝材になっていると思います。

金原の指示で凍也をわざと煽っただろうに結果的に殴られ損になったり、美容意識が高いのかしょっちゅうリップクリームを塗り直してたり、少ない出番の中でも仁川の三枚目っぽさやチャーミングさが伝わってくる演技が良かったです。インパクトの強いヤバい系の役もハマるけど、こういう役も違和感なく似合うし、髪型や服装でガラリと雰囲気が変わるところも含めて、毎回なりきりっぷりが凄いなって思います。