名建築で昼食を 大阪編

「師匠に勝っちゃった～」って嬉しそうにドヤ顔してる姿が可愛らしい。荘厳な作りに感動して「どうしてこんな素敵な建物が思いつくんだろう」って興奮気味に口にしたり、美しい装飾にただ無言で見入っていたり、台詞が少なくても目にするもの一つ一つに感情を揺さぶられている様子が声のトーンや表情の変化でしっかり伝わってくるところも良かったです。

ちょこっと挟んでくる親父ギャグ的なものやダジャレ的なものをボソッというのが面白い。特に面白くはないセリフだけど、そのまま言いっぱなしで放置されているのも面白い。ウケ狙いではなくて自然に出ちゃった感じ、藤さんの性格が現れています。

植草より先にランプのクローバーに気付いて喜んだり、屋上から噴水に施された四つ葉マークを見つけた時はめちゃくちゃニヤけてドヤ顔してたり、学校という空間だからか、いつも以上に楽しそうにはしゃぐ姿が印象的でした。最近は美和のことで暗い表情をしてることが多かったから余計に無邪気な笑顔が可愛く見えました。その美和ともまた和やかに笑い合ってコーヒーが飲めるようになれて良かった。スッキリ晴れやかな表情が戻ってきてホッとしました。

美和のことで鬱々と悩んでる姿は「放っておけば良いのに」と思ってしまってイライラするのですが、建築物を見学している時の楽しそうな笑顔や、建物の歴史に触れた時の切なそうな目や、しみじみ味わうように眺める表情は芝居というより、今その時感じたままというリアルさが感じられて良いと思います。淡々と落ち着いた雰囲気があるからか、年上の植草と2人でいてもそんなに違和感がないし、互いに深く関わり合わない程良い距離感が「師匠と弟子」という関係にピッタリで良いと思います。

割と淡々としていて台詞のトーンも終始落ち着いていて、喜怒哀楽がオーバーに出る役ではないけど、美和のことをもどかしく感じて鬱々とした表情になったり、植草からのお誘いLINEを見てパッと楽しげな笑顔に変わったり、ちょっとした表情の変化で藤の心情が伝わってくる繊細な演技が良いと思います。ただせっかく表情は良いのに台詞まわしがナチュラル過ぎるというか、ボソボソ気味に聞こえてたまに何話してるか分からないところはちょっと勿体ない気がします。

妙に落ち着いていて掴みどころがない子だなという印象だったけど、要領の悪い上司にモヤモヤして愚痴ったり、美味しそうな料理を前にしてニヤニヤが止まらなくなったりと年齢相応のチャーミングさや感情の揺れが垣間見れたのが良かったです。人間味が感じられて親近感がわきました。珍しいタイル貼りの壁をツンツン触ってみたり、振子時計のデザインを間近で見てその大きさに感動したり、建物を見学している時にコロコロ変わる表情も可愛かったです。

声を張らない素っぽいテンションの話し方やナチュラルな演技がドキュメンタリーチックなドラマの雰囲気にマッチしています。植草から「ワールドツアー」のお誘いが来た時のワクワクした笑顔も可愛らしかったです。建物を見学する時もじっくり味わうように色んな箇所を真剣に見ていて、たまに出る「凄い」「格好良い」などの呟くような小声の感想もリアリティがあって良かったと思います。