御上先生

目の演技が素晴らしい。
目で感情が読み取れる演技が出来る人は、なかなかいない

1話の頃と今回の6話では顔つきも醸し出す空気も全然違う。危うさや不安定さがなくなり、表情も穏やかになり、でも意志の強さはずっとブレずに芯にあって、御上との出会いが良い方向に導いてくれたんだなって感じられてホッとします。御上に似てきたって言われて満更でもなさそうだったり、「あんた」から「おかみ」呼びになっていたり、言葉に出さなくても御上を慕う気持ちがしっかり伝わってくるところも良かったです。

ちょっとひねくれているのはあの年代なら一度は通る道。思春期だからかなって思っているとドキッとするようななにかを見透かした目をしてくるから恐ろしい。ジャーナリストもどきからジャーナリストになっていっていると思う。

主演の松坂さんと対峙しても引けを取らない演技がとても良かったです。父親みたいになりたくないっていう葛藤や焦り、もどかしさ、御上に現実を突きつけられた時の焦燥感、苛立ち、若さゆえ色々と矛盾して入り混じる複雑な感情を繊細な表情の変化や台詞の間、目の動きで丁寧に演じていたと思います。